内申点オール3の偏差値はどれくらいなのでしょうか。
ある教科の評定が「3」の場合、印象としては「普通」とか「平均」と感じますよね。
では、内申点オール3だと、「超普通」、「超平均」といった感じでしょうか。
しかし、内申点オール3は偏差値50ではないという事実、皆さんはご存知ですか?
では、実際には内申点オール3の偏差値はどれくらいになるのでしょうか。
内申点オール3の偏差値は50ではない!
オール3の偏差値がいくつなのかについては、はっきりと決まっているわけではありません。
そして、意外と知らない偏差値の勘違い・・・
「内申点オール3の偏差値は50ではない」のです。
内申点と偏差値は似て非なるものであるため、内申点から偏差値を算出することはできないのです。
「なぜ内申点オール3は平均じゃないの?」と感じる人は多いかもしれませんね。
平均である「偏差値50」には届きません。
では、5段階で「3」なのに、どうして平均にならないのでしょうか。
それは、成績の表し方が「相対評価」から「絶対評価」に変わったためです。
「相対評価」は、生徒を成績順に並べて、上から7%を「5」、24%を「4」…と、あらかじめ設定した割合にあてはめて評価する方法です。
「3」が一番多くなるように設定されているため、この評価方法なら「3」はまさに平均ですから、オール3なら偏差値50だったわけです。
一方、現在の「絶対評価」は、学習目標に対する一人ひとりの到達度を評価します。
到達度が高い生徒は、人数に関係なく「5」にできるため、相対評価の頃よりも「5」の生徒が大幅に増え、「1」や「2」の生徒は減っています。
したがって、内申点オール3は平均よりやや下の成績となってしまうのですね。
「相対評価」
評定5:7%、評定4:24%、評定3:38%、評定2:24%、評定1:7%
「絶対評価」
評定5:13.5%、評定4:25.5%、評定3:46.6%、評定2:11.2%、評定1:3.2%
( ※ 絶対評価の割合は、ある都道府県の公立中学校の平均)
この結果からもわかるように、相対評価と比較すると、絶対評価に変わったことにより評価基準が甘くなったといわれています。
「オール3だから真ん中(偏差値50)くらい」だと思っていたら大間違いですので注意して下さいね!
以上、内申点オール3は偏差値50ではないという事実について解説しました。
次に、「偏差値」という評価の指標について、詳しく見ていきたいと思います。
「偏差値」という評価の指標で、自分の学力と位置を知る!
「テストの点数が80点だった!」
この点数が良い結果なのかそうでないのかははっきりしません。
この情報だけでは、みんなが高得点をとれるくらい簡単なテストだったのか、80点以上とれた子がほとんどいない難しいテストだったのか、はっきり分からないですよね。
そんな時に役立つのが、「偏差値」という評価の指標です。
たびたび耳にする、この「偏差値」について、詳しく解説していきたいと思います。
- 偏差値とは、集団の中での自分の学力と位置がわかる「ものさし」である
- 偏差値をあてにしすぎてもいけない!
- 偏差値は良し悪しの目安となる反面、落とし穴も!
偏差値とは、集団の中での自分の学力と位置がわかる「ものさし」である
偏差値は、問題の難易度や点数にかかわらず、受験者の中の自分の位置を相対的に知ることができます。
また、偏差値を活用することにより、平均点が異なる過去のテストとも比較が可能になるため、自分の学力がどれくらい変化したのかを確認する指標にもなるのです。
「偏差値」
・50前後ならば普通
・60より高ければ良く
・40より低ければ悪い
「平均点」
得点の合計を受験者の人数で割ったもの
「標準偏差」
得点の散らばり具合を示したもの
偏差値を当てにしすぎてもいけない
偏差値は、自分の実力を知るための重要な指標ではありますが、その偏差値を信頼しすぎることは避けて下さいね。
なぜなら、偏差値は「その模試を受けた時期」の「周りの生徒と比べた自分の実力」であるからです。
例えば、受験本番前の約半年前に受けた模試で、B判定が出たとします。
その判定は「このままのペースで勉強を続けると、6〜7割の確率で合格できるでしょう」ということを意味しています。
言い換えると、この結果は「現時点の実力で本番に臨めば合格する」ということを示しているわけではないのです。
受験生の場合、受験本番に近づくにつれて、実力がメキメキと身につくことはよくある話ですから、もしかすると、自分の勉強のペース以上に、周りの勉強のペースが上回る可能性もありますよね。
・模試の結果に一喜一憂せずに、自分のペースで勉強を進めること
・現時点の偏差値だけで志望校を判断してはいけない
また、偏差値は、「平均点との差」と「得点のばらつき」の両方を踏まえた上で、自分がどの程度の位置にいるのかを表した数値ですから、テストを受けた人数が少ない場合には、利用する価値が低くなってしまいます。
また、同じ集団が受けたテスト結果を比較する場合には意味がありますが、異なる集団の偏差値を使って直接結果を比べることもできないのです。
例えば、「全国規模の模試」と「校内テスト」の結果を比較した場合、テストを受けた集団の学力レベルや得点のばらつき具合が異なるので、公平に判断することができません。
偏差値で成績を比較する場合には、「そのテストを受けた人数」と「どれくらいの学力レベルの人が受けるテストであるか」を確認しておくことが大切ですね。
偏差値は良し悪しの目安となる反面、落とし穴も!
偏差値に対する考え方は、自分の周りの友人や親、塾講師、教師の影響を強く受けるでしょう。
現代でよく社会問題として取り上げられるのは、「偏差値が全て」という考え方です。
これを「偏差値至上主義」といいます。
偏差値に対する誤った考えを持っていると、偏差値を上げることに必死になり過ぎて、志望校選びや受験に失敗する恐れがありますから要注意!
以下のような固定観念にとらわれて、自らの可能性を低くしてしまわないように注意しましょう。
偏差値の高さだけで学校を選び、失敗してしまう
偏差値の高さだけを学校選びの基準にしてしまうと、実際に高校に入学してから自分が思っていた学校ではないことが分かり、後悔することにもなりかねません。
高い偏差値の高校に進むことで、将来的に幸せになれると思い込み、志望校選びを失敗する恐れがあるのです。
また、現在の自分の偏差値とかけ離れた難関校を受験した場合、合格できたとしても受験で燃え尽きてしまい、入学後の夢に向かって進めなくなる場合もあります。
偏差値が全てという考えを自分に植え付けてしまうと、他のことが考えられなくなり、結局のところ「自分は高校入学後に何をしたいのか」、という一番大切なことが分からなくなってしまうことに・・・。
偏差値が上がらないことへの劣等感を抱えてしまう
偏差値が全てという考え方では、自分に得意科目があっても、偏差値が低ければ意味がないと思い込んでしまいます。
また、周りからも「偏差値が低いと志望校に合格できない」と言われ、追い詰められてしまうことも。
偏差値は、数値で自分の立ち位置が示されるため、周りの人と比べることで劣等感に悩まされたり、自分はダメな人間だと思い込むことで、次第に勉強が手につかなくなることもあるかもしれませんね。
偏差値だけにとらわれることなく、校風や教育方針、部活など、さまざまな情報を入手し、自分に合った志望校を選ぶことが大切ですね。
偏差値の正しい知識を身につけることで、受験勉強にかけられる時間と自分の学力を踏まえ、合格できる可能性が高い高校を選ぶことができます。
注意したいのは、偏差値至上主義によって、自分に劣等感を持ってしまうこと!
偏差値の高い学校 = 良い学校、偏差値の低い学校 = 良くない学校という、漠然としたイメージがあるかもしれませんが、そこの魅力 = 偏差値ではありません。
偏差値はあくまでも集団の中でどれくらいの順位にいるかが分かる、いわばものさしの一つに過ぎませんから、偏差値を絶対視しないことが大切ですね。
以上が、「偏差値」という評価の指標についてでした。
では最後に、内申点を上げる方法として、なぜオール3なのか分析することについて解説したいと思います。
なぜオール3なのか分析することから始める!
内申点で最も多い評価が5段階の「3」です。
しかし、内申点オール3がちょうど成績が真ん中ではないということはお伝えしましたね。
オール3だと、実際には40人学級で下位30番前後、模試の偏差値なら40〜45でしょう。
本人はもちろん、親としても、オール3のうち、せめて半分くらいは4を取りたいと思うのが現実的な願いではないでしょうか。
半分くらいと言わず、オール3からオール4を目指しませんか?
内申点オール3をオール4に上げる方法として、なぜオール3なのか分析することから始めてみましょう。
その原因を把握し、対策を講じることで評価を上げてもらえるようになりますよ。
オール3の主な要因は次の理由が考えられます。
- 定期テストで点数が取れていない
- 提出物が出せていない、もしくはいいかげんなやり方をしている
- 授業態度が悪い
これらをクリアすればオール4が見えてきます。
では、それぞれについて詳しく見ていきたいと思います。
定期テストで点数が取れていない
オール3の子どもは、平均点前後か40点台、50点台しか点が取れていないことが多いのではないでしょうか。
では、どうすれば得点をアップさせることができるのでしょうか。
当たり前のことになりますが、まずは学習時間・学習量を増やすこと!
オール3の子は、そもそも学習時間・学習量が圧倒的に少ない場合がほとんどです。
子どもが勉強しない主な理由は・・・
この3大理由の解決法は、時間の管理を徹底することしかありません。
子ども自身で管理することは、まず不可能と言っていいでしょう。
よって、親が管理してあげるしかありませんね。
「反抗期なので言っても聞かない」、「言うことを聞かないから仕方がない」とあきらめてはいませんか?
そもそも、きちんと子どもに注意しきれていない親御さんが多いのが現状です・・・。
親としても覚悟を決めて子どもと向き合い、時間のルールを作ってあげて下さい!
具体的には・・・
まずはこの2つから始めてみてはいかがでしょうか。
対策としては、強制的に学習時間と学習量を増やすしかありません!
- 塾に通っていなければ、塾に通わせる
- 親が横に付いて学習させる
- 家庭教師に来てもらう
塾に通わせる
塾に通っていない子どもには、これが一番現実的で手っ取り早い方法です。
塾に通わせることで、以下のような学習時間・学習量は当然増えますよね。
- 授業を受けている時間
- 塾から出される宿題
- 単元テスト・小テストの勉強時間
- 定期テスト前やテスト期間中の自習 など
それまで塾に通っていなかった子どもは、塾に入るだけでも多少は成績も上がるでしょう。
しかし、オール3くらいの子は、入塾前までの内容について理解が伴っていない場合が多いため、進度調整の補習も必要になりますから、すぐには安定した成績向上にはつながらないかもしれません。
塾内で自習をする場合も、先生が監督で教室にいるときはそこそこ効果がありますが、それも「そこそこ」でしょう。
なぜなら、学習時間が増えはしますが、これまで学習習慣がなかった子どもは集中力が続かず、ただ長時間机に向かっているだけという場合が多いからです。
すぐに結果につながらないかもしれませんが、やらないよりは確実に効果はあるはずです!
家庭教師に来てもらう
家庭教師に来てもらうことで、集中力の持続につながり、無駄な時間を減らすことができるでしょう。
勉強に手は抜けませんし、分からなければ即解決してもらえるので一石二鳥ですね。
ただ、受け身になってしまうのと、分かったつもりで終わってしまうことがある点は注意が必要でしょう。
親が横に付いて学習させる
親が横に付いてあげれば、その間は子どもは勉強せざるを得ませんし、集中力も持続しやすいでしょう。
ただ、共働きの場合には、子どもに付きっきりというのは難しいですね。
とはいえ、学校の課題や塾の宿題・小テストなどの勉強、定期テスト勉強の進捗率などのチェックは、子どもが嫌がっても必ずしてあげて下さい。
忙しくてできない、と思われるかもしれませんが、子どもは親を見ていますので、子どもも何かにつけて「忙しい」と言い訳して、やるべきことから逃げるようになってしまいます。
ほんの5分でも構いません、課題ができているかどうかだけでも、ぜひ確認してあげて下さいね。
以下の記事では、具体的な学習方法をご紹介しています。
ぜひ学習のヒントにして下さいね。
提出物が出せていない、もしくはいいかげんなやり方をしている
内申点オール3の子どもは、自己管理ができてない傾向にあります。
- 必要な連絡事項をメモしない
- 宿題の範囲などは書いたはずだが、どこに書いたか分からない
- プリントはカバンの中に突っ込んでいるだけで管理が雑 など
どれもなかなか直りにくいものです。
成績がオール3でも、子どもにとってはすぐに実害もありませんから、危機感がないかもしれませんね。
自己管理ができていない子どもは、ひとまず親御さんが面倒を見てあげて下さい。
親が面倒を見ることは根本的な解決にはなりませんが、子ども自身で管理ができるようになるまでと割り切り、管理してあげることをおすすめします。
定期テストごとに出されるワークなどが未提出では、せっかくテストで高得点を取ったとしても、内申点で1段階下げられることもありえるからです。
・宿題や課題をすべて丁寧にやり終えたか
・登校前に提出物をすべてカバンに入れたか
・忘れずに提出したか
「丁寧に」というのも大きなポイントのひとつですね。
適当に採点をして適当に答えを写して、では評価は上がりません。
間違えた問題は丁寧に解き直し、注意点なども書き込むとポイントアップにつながりますよ。
授業態度が悪い
これは、子どもにしっかり自覚してもらうしかありませんね。
内申点の評価が入試に使われることをしっかり伝える。
普段の会話の延長で話しても、子どもは聞き流してしまいます。
きちんと向き合って、丁寧に、ゆっくり、真剣に、内申点の大切さを話してあげて下さい。
その上で授業中に気をつける点が2つ。
・私語をしない
・居眠りをしない
2つとも当たり前のことですね。
でも、その「当たり前のこと」ができていないから評価が低い、ということは往々にしてあります。
特に「居眠り」が日常化している子の多くは、夜遅くまでゲームやYouTubeなどに夢中になっている場合が多いでしょう。
睡眠不足からくる居眠りのないよう、規則正しい生活を心がけて下さいね。