小学校までと異なり、中学生になると定期テストが実施されます。
3学期制をとる学校のほとんどが、1・2学期に中間テストと期末テストを実施し、3学期に学年末テストを実施します。
テストの範囲も難易度も小学校の頃の各種テストとは比にならないほど広く難しいです。
しかも中学校の成績は、提出物や宿題も大切ですが、ほとんどが定期テストの出来=点数に依拠します。
ですから、中学生にとって成績を上げる方法は定期テストで点をしっかり取ることで、そのためにはテスト対策が必要不可欠なんです。
そこで、ここでは、中学生が特に定期テストで成績を上げる方法について、詳しく見ていきたいと思います。
中学生が定期テストで成績を上げる方法!
中学生が定期テストで成績を上げるためにすべきことを以下の5つに分けてみました。
- 日々の予習・復習
- テスト2週間前
- テスト1週間前
- テスト直前
- 期末テスト編
順番に、みていきましょう。
日々の予習・復習
予習
意外とおろそかにしてしまいがちなのが、予習です。
予習をぜひやってほしいのには理由があります。
それは、先生の話を聞くことができるからです。
もっと言うと、板書を写すことばかりに気を取られるのではなく、先生の話を聞き、メモをとる習慣をつけてほしいのです。
メモを取るということは、先生の話に耳を傾け、理解しようとします。
実際、先生によって、授業スタイルってまちまちではないですか?
板書を丁寧に書く先生・プリントで整理されてる先生・大事なことを口頭だけですませちゃう先生・生徒に黒板に解かせる先生など、この先生の授業はこんなふうにすればもっと集中できるなってあると思います。
ですから、予習の段階で、最低限教科書くらいは読んでおいて自分の疑問点やよくわからなかったこと、聞きたいことを明確にしておき、授業は先生の話をよく聞く。
そうすれば、授業中の時間をとても有意義に過ごせます。
注意してほしいのは、一人で予習をするとき予習の段階でその内容を完璧に理解する必要はないということです。そのための授業ですからね。
塾へ通える人は塾で予習することになると思います。
私が個別指導塾で生徒に授業をするときは、学校の教科書準拠のテキストを用いて、学校の授業よりも1~2週間先取りができるようにしています。
そうすれば、私の授業が“予習”となり、学校の授業が“復習”になりますよね。
どうしても時間がとれないという場合は、予め授業のテーマや内容をさらっと知っているだけでも、何も知らずに授業を受けるより遥かに有意義な授業時間が過ごせます。
復習
復習を効果的におこなう大前提として、授業はきちんと聞いておかなければいけません。
そのうえで、個人的には、予習よりも復習の方に時間をかけてほしいと思います。
なぜなら、授業を聞いた後であれば、やれること・やるべきことがたくさんあるからです。
宿題も復習の一部だと考えて良いと思います(予習が宿題となっている場合を除く)。
授業を聞いた後であれば、問題を解くことができます。
授業を聞いた後であれば、自分のわかった・わかっていないが、わかります。
何がわかったかわからないとか、わかったかわかってないか微妙なんてセリフをよく聞きます。
それは、おそらくほとんどの場合、わかってないと言って差し支えないでしょう。
わかっているときって、視界がクリアなんですよね。
それでも、わかった・わかっていないが曖昧だなぁと思うときは、問題を解きましょう。
さささと解けて合えば、わかっています。合わないまたは調べたなら、わかっていません。
自分に説明するのもおすすめです。もちろんほかの誰かでも構いません。
自分なら、相手探しの必要がないですからね。いつだってできます。
ほかの誰かなら、自分より知識のある人が望ましいですね。誤りを訂正してもらえます。
とにもかくにも、説明ができればわかっていますし、説明できなければわかっていないということがわかりますよ。
さて、予習・復習いずれにしろ、この日常の段階で定期テストへ意識を向けられる確認事項があります。
それは、
こんなふわっとした意識ですが、この意識を持つことで、テスト対策に入るまでにすでに自分のやるべきことが見えているのがわかりますか。
得意な単元は必要最低限だけしておいて、テスト前に困りそうな単元は、前もって早めに対策・準備をしておこうと思えるはずです。
つまり、この意識を持つだけで、あなたにとっての要チェックポイントが、予習復習の日常の段階ですでに選別できているわけです(もちろん、意識を持つだけではだめで、実際に行動に移す必要があります。)。
テスト2週間前
ほとんどの学校では、テスト範囲が配布されます。
ここで、ゴール(目標)から自分の課題・やることリストを作成する方法についてお伝えします。
教科書で考えても良いですし、たいていの場合、ワークも試験範囲になっていて、かつ提出が求められる場合が多いですので、ワークで考えても良いです。
単元によって、難易度にばらつきがあります。
教科間の難易度だってばらつきがあります。
さらに、あなたにはあなたの得意・不得意があります。
これらを質と考え、今回の定期テストでの優先順位を考えます。
計画を立てると言うと、キレイな表にまとめたくなりますか?
必要ありません。ざっくりで構いませんから、この1週間でまず何をするのかを決めましょう。
先ほど考えた優先順位を参考に、教科書を読む、範囲内の英単語をひととおり暗記する、小テストの解き直しをする、1回はワークを解く・・・など。
なんでも構いませんが、“間違えた問題や苦手・曖昧に印・付箋を入れながら”進めましょう。
大切なのは、テスト1週間前~直前までの時間を有意義に、無駄なく、最大限、テスト勉強に費やすための下準備をしておくことです。
この段階で印や付箋がたくさんある場合は、翌週からの計画がタイトになってしまいます。
ですから、翌週の負担を減らすために、テスト1週間前までにできる問題を増やす努力をしましょう。
ここで、テスト対策勉強においてありがちなNG行動をまとめておきます。
テスト対策勉強でありがちなNG行動
テスト1週間前
さぁ、いよいよテスト対策追い込みです。
テスト1週間前に部活動が休みに入るため、この時期からテスト勉強をし始める子も多いですが、私はテスト1週間前~は追い込み、総整理の時間だと思っています。
先述の通り、テスト2週間前~テスト1週間前の下準備の段階で、“間違えた問題”や“苦手・曖昧”に印・付箋が入っているはずです。
その問題をトコトン繰り返します。
どこまで繰り返すのかというと、自分で解けるようになるまでです。
そして、できていた問題も含めもう1回解いて、間違えたらやっぱり印を入れます。
1回目正解でも2回目間違うことはよくあるので、気にせず。
ただその問題も、印を入れて、間違えた問題に仲間入りさせます。
何回も間違えるとか、全然覚えられないって時々ありますよね。
そういうものは、短期集中暗記ノート(メモ帳でも良い)を作って、直前期にそれだけ見返せば自分の弱点が詰まったものを作ると良いでしょう。
その際、決して色づかいのキレイな要点まとめノート的なものを作ろうとしないように。
時間の無駄ですからね。
自分が最低限必要な範囲で工夫(赤ペンで見やすく等)くらいにとどめておきましょう。
テスト直前
一つでも印が入っている問題、原則すべてを解き直します(量にもよるので、工夫はしてくださいね。)。
逆に言えば、ワークを何周もして、一度も間違えない問題はおそらくテストで出題されても間違えません。
ですから、いつも正解する問題はスルーしてokです。
このために、印を入れてきたんです。
テスト直前という限られた時間の中で、自分にとっていかに効率よく、最大限時間を有効利用したテスト対策ができるか。
自分の勉強してきた軌跡と向き合う。
これが、あなたにとって最高の定期テスト対策なんです。
期末テスト編
今まで述べてきたことは、もちろん期末テスト対策として有用です。
ただし、期末テストは、中間テストより範囲が広めであることも多いですし、なにより副教科のテストが増えますよね。
ですから、中間テストよりも、長めにテスト対策は取らないといけないなという意識が必要です。
それでも、暗記したことは忘れるので、繰り返しがキーポイントになるでしょう。
例えば、先ほど説明した短期集中暗記ノートを中間テストのときより早い段階で作っておいて、何度も見返すと、繰り返しになりますよね。
以上、中学生が定期テストで成績を上げるためにすべきことを以上の5つに分けて考えてみました。
けれども、そもそも、正しい勉強法や学習習慣が身についていないとこれらを実行していくのは難しいです。
次は、中学生が成績を上げるために身につけたい正しい勉強法と学習習慣について、ご紹介したいと思います。
中学生が成績を上げるために身につけたい正しい勉強法と学習習慣!
中学生が成績を上げるために身につけたい正しい勉強法と学習習慣についてお話していきたいと思います。
まず、以下の4つについて、別記事で紹介していますのでぜひご覧ください。
- 質の良い勉強
- 優先順位を考えた勉強
- 目的意識のある勉強
- 以上3つを継続すること
ここでは、もう少し、勉強のやり方について具体的に見ていきたいと思います。
結局のところ、目的意識を持った勉強が、質の良い勉強ということになります。
すでに今回も何度か出てきていますが、よくある丸付けの方法について、お話したいと思います。
丸付け、正しくできていますか?
勉強をしていると丸付けをする機会が多いと思います。
丸付けをするとき、正解した問題には〇、間違った問題には×をつけますよね。
そしてほとんどの子は間違えると、間違えた答えのそばに正しい答えを赤で記入します。
まぁ、正しい答えは書いても書かなくてもどちらでも良いです。
問題はその後。
はい、丸付けできた。次へ。
私はいつもそこで、「おーーーーーい!!おいおい。」と突っ込みます。
「丸付けして、はい、次へ?それで、その間違えた問題の一体何をできるようになったんだい?」
同じことしている人、いませんか?
正しくは、もう一度その問題を解き直すのです。
英語でも、数学でも、国語でも、理科でも、社会でもです。
そしてまた丸付けをします。
また間違えたとしましょう。
それでもさらに解き直すのです。
合うまでやる、向き合う。
これが鉄則です。
やってもやっても合わなければ解説を読めばいいです。
その場合でも、やっぱり自分の手を動かし、解いて、丸付けをし、最後は丸で終わる。
これができていない子どもたちが本当に多い印象です。
計算問題なんかは何度も何度もやり直すのが面倒なのはわかります。
そうであれば、1発で合わせるような正確性を身につければ良いだけです。
そして、もう一つ大切なことは、間違える度に問題番号に印を入れることです。
やり直しをやってもやっても間違えた問題は、印いっぱいのはずです。
そうすると、どんなワーク・問題集ができ上がると思いますか?
あなたが間違えた問題に印の入っている、まるでオーダーメイドの問題集ができ上がるんですよ。
これを、テスト対策に利用するのです。
印のたくさん入っている問題をテスト直前に解き直したら、1発で正解した。
これで初めて、あなたはその問題を解けるようになったと言えるのです。
つまり、「この問題を解けるようにする。」という目的意識があれば、丸付けをして満足してやり直しをしないとか、解説をみて解き直さない、なんてことは絶対しないはずなんですよね。
繰り返しになりますが、問題は合うまでやる。これが、鉄則です。
かなり実際の方法に突っ込んだ話になりましたが、以上が、中学生が成績を上げるために身につけたい正しい勉強法と学習習慣でした。
では、これらを身につけ継続していけるように親がしてあげられることはあるのでしょうか。
中学生が成績を上げるために親ができること!
中学生が成績を上げるために親ができることは環境を整えることです。
中学生の学習範囲は内容的にも難しくなってきて、親がみてあげるのはちょっとたいへんですよね。
仮に勉強をみてあげられるとしても、我が子に教えるって難しいものです。
年齢的に反抗期を迎えている子もいるでしょうし、親も言葉がきつくなっちゃったりしますからね。
ですから、親御さんはぜひ、子どもたちが勉強をしやすい環境を整えてあげてください。
勉強する環境
勉強をする部屋・空間という意味での環境であれば、家のどこで勉強をするのか一緒に考えてあげましょう。
家庭教師や塾など、指導者をつける必要がありそうならその環境を整えてあげる必要がありますね。
塾であれば、自習室を開放しているところもありますから、勉強する空間問題も同時に解決できるかもしれません。
こちらの記事では、より詳しく中学生の勉強への親の関わり方を解説しています。
環境を整える以外にも役に立つ方法を紹介していますのでぜひご覧ください。
親の声掛け
先ほどご紹介した記事にも記載しておりますが、親の声掛けは大切です。
言葉の持つポジティブ・ネガティブといったイメージは意図せず植え付けられてしまいます。
頑張ろうとしているけれど、学習が思うように進まないことだってあるでしょう。
そんなときは、見守りつつ、思考がプラスに作用するような声掛けを心がけられると良いですよ。
中学生になったばかりなら丸付けの手伝いも
声掛けと少し類似する観点で、手伝いについてお話ししようと思います。
先ほどの学習習慣のところで、丸付けの大切さに触れました。
実は、丸付け自体がちゃんとできないという子どもたち多いんです。
特に、中学生になったばかりだと、ちゃんと丸付けできてないことってよくあるんですよね。
例えば、英文だと、「.」ピリオド、「?」クエスチョンマークが抜けているのに、自分で丸付けをして丸をしている。
これ、テストであれば、ほかのスペルや文法がどんなに正しくても×または減点なんですよ。
特に中学1年生の最初のテストは、これで点数が取れなかった子を何人も見てきました。
それを防ぐには、日常の段階・テスト対策の段階で、指摘してあげなくてはいけません。
自分で気づければ良いですが、気づけない子も多いです。
ですから、いつまでも学習それ自体に関わるのはおすすめしませんが、人生初めての中間テスト・期末テストはそういう観点でのサポートは必要かもしれません。
実際私も、中学1年生の1学期の英語指導の時は、文法とかスペルよりも、英文の体裁チェック(「.」や「,」や「?」や大文字・小文字)に気を使います。
成績に興味を持つこと
テスト結果に興味がない親は意外と多いです。
もちろん子どもたちは親のために勉強しているのではありません。
が、子どもたちが一生懸命取り組んだ成果・結果に対して、何かしらのリアクションは必要ではないでしょうか。
成績が良ければ大いに褒めてあげれば良いです。
成績が悪くて叱ってしまったとしても、そのあと、原因と対策を一緒に考えようと声をかけましょう。
いちばん良くないのは、テスト結果がどうであったか知らないことです。
結果を知らなければ、次のテストで前回との比較や改善をすることができないですよね。
関心をもって接してあげるようにしましょう。