内申点オール5の偏差値はどれくらいになるのでしょうか。
偏差値とは、民間の模試や大手進学塾主催の診断テストなどの結果から算出されるものです。
学校の定期テストや通知表から大まかな偏差値を算出する場合は、内申点がオール5であれば偏差値は60台後半と推測されます。
クラス順位から見た偏差値の大まかな目安は以下の通りになります。
- クラス順位1位:偏差値70くらい
- クラス順位2位:偏差値67くらい
- クラス順位3位:偏差値65くらい
- クラス順位4位:偏差値63くらい
- クラス順位5位:偏差値61くらい
- クラス順位6位:偏差値60くらい
しかし、あくまでも学校内の偏差値ですので、学校や先生によって評定基準も異なるため、県内・府内、また全国偏差値との比較はできません。
同じ中学校から偏差値70の高校に何十人も入ることもあれば、全校生徒が10人しかいない中学校もあるからです。
よって、学校の評定は、真の学力面ではあてにならないということになりますね。
では、内申点オール5の偏差値はどれくらいになるのか、見ていきたいと思います。
内申点オール5の偏差値はどれくらい?
内申点オール5の偏差値はどれくらいになるのでしょうか。
中学時代にオール5だった生徒の事例を順にご紹介したいと思います。
中学時代にオール5だったAさんの場合
偏差値60くらいの、とある高校に入学したAさん。
中学校の内申点はオール5だったAさんですが、中学生の時に受けていた模試の偏差値は、常に55くらいだったそうです。
その原因は、通っていた中学校にありました。
Aさんの通っていた中学校は、とても荒れている学校だったそうで、授業中、生徒の私語や歩き回るのは当たり前の状態、学級崩壊寸前だったといいます。
そのため、普通におとなしく授業を受けて定期テストで平均点以上をクリアしていれば「内申点で5」は確実につけてもらえたとのことでした。
ちょうど学年の真ん中の少し下あたりの順位だったようで、実力的には良いレベルの高校に入学できたということになりますね
中学時代にオール5だったBさんの場合
先生受けがすごく良いと内申が上がることがあります。
その一人だったBさん。
こちらも中学校の内申点はオール5でした。
定期テストの点数が同じだった他の生徒は内申点3、これに対し、Bさんは5だったといいます。
これは、先生が内申にプラスマイナス1をつけることができる権限を持っているから起こりうることでしょう。
テストの点数だけなら2人とも内申4をつけられるけれど、提出物が全く出されていなかった生徒は内申点は3を付けるしかない…などの権限ですね。
ところがそのBさん、私立高校は3校中1校しか受からず(何校でも受験できる都道府県に限る)、かなりレベルを落として受けた公立高校も2校(1校しか受験できない地域もあります)とも落ちてしまったそうなのです。
中学時代にオール5だったCさんの場合
同じく、中学校で内申点オール5だったCさん。
こちらは、学年順位は常に1桁で、テストは満点を取るのが当たり前だった一人です。
先生たちがわざとその生徒たちが解けないような難問を入れてテストを作っていたそうですが、それでも解いてしまったという実力の持ち主。
Cさんは偏差値70以上の高校に進学して行ったそうです。
この3人の事例からわかることは・・・
このように、内申点と模試の偏差値がかけ離れている生徒は時々います。
その場合、志望校選びではとても悩むことになるかもしれませんね。
以上が、内申点オール5の偏差値はどれくらいになるのかについての解説でした。
次に、内申点オール5だからこそ気をつけたいことについて見ていきたいと思います。
内申点オール5の成績優秀者だからこその注意点とは?
内申点オール5の成績優秀者だからこその注意点とはどのようなことがあるでしょうか?
一口にオール5と言っても、いろいろなタイプの生徒がいます。
授業態度もよくコツコツと勉強時間を確保している子どももいれば、要領よく何でもこなしてしまうタイプの子も。
成績優秀な生徒も、誰一人として同じ子どもはいないものです。
もちろん、個々によっても違いますが、学校ごとの「内申点5」のつけ方もそれぞれ違います。
学年ごとの違いもあれば、先生が変われば評価にも差が出るのはおかしな話ではありません。
では、それだけが問題かというと、そういうことではないようです。
また、「内申点オール5の成績だったので安心していたら、模試を受けてみて愕然としました。」
・・・と言うのは、それまで模試を受けたことがなかったある中学3年生。
成績が良かったので安心していたら、模試を受けてみてビックリ。
今までの学習内容を忘れていて、総合問題である模試で全く点数が取れなかったとのこと。
確かに、内申点をしっかり取れているということは本人の頑張りですから、そこはぜひ褒めてあげたいところですよね。
しかし、だからこそ注意しなければならないのは、高校入試はそれだけの勝負ではないということです。
内申点を取ることと、高校入試の学力検査で点数を取るということは、スポーツで言うならば、別の競技で競争をするようなものでしょう。
成績は良いけれど高校入試で苦労する例とは?
内申点を上げるには「授業態度」「提出物」「学力テスト」「先生とのコミュニケーション」の4ポイントが重要で、これらをそつなくこなすことが大切になってきます。
「定期テスト」で良い点数を取れる子どもは、高校入試でも同様に取れるのでは?と思われるかもしれません。
しかし、範囲の決まっている「定期テスト」で点数を取ることと、総合的な問題である高校入試で点数を取ることでは、必要な力が少し違ってきます。
先述した生徒がいい例ですね。
内申点は良いのに模試で点数が取れない場合は、早めにその課題を見つけて手を打つことが大切になってきます。
では、成績は良いけれど高校入試で苦労する例で、多いパターンをいくつかご紹介しましょう。
本質追求タイプ
これは、真面目な性格の子に多いタイプです。
物事の本質を理解するために、なぜこうなるのかを追求するため、勉強において、知識の入れ方としては抜群といえます。
しかし、ことテストとなると、時間内で自分の実力を発揮できなかったりする場合が多く、特に範囲の広い総合問題においては時間足らずで終わってしまうことも・・・。
このタイプの課題は、スピードアップの強化!
適切なレベルの問題でのアウトプットの練習が必要でしょう。
テクニック重視タイプ
このタイプはその逆で、テストで点数を取るための知識のテクニックを重視するタイプです。
こういう場合はここに補助線引けばいいなど、裏技のような公式を沢山覚えていたりします。
このタイプは、確かな学力が身についていない場合が多く、「なぜ」を問われたりする問題では苦戦することが多いようです。
問題の傾向の変化に対し、大きく結果が左右されるタイプですね。
「なぜこれはこうなるのか」という本質を学び、確かな学力を身につければ一気に化けます!
「本質」という土台の上に「テクニック」が積み上がった状態が最強といえますね。
短距離タイプ
このタイプは短期集中のインプットが得意で、定期テストに強いタイプです。
イメージとしては、部活動や他の習い事など、何かを非常に頑張っている子に多い印象ですね。
基本的には、短期間で入れたものはすぐに抜けていくものですから、このタイプの子どもは定期テストが終わったらその範囲の内容を忘れてしまうこともしばしば。
そのため、長距離走である入試では苦戦しがちなのです。
定期的な総合チェックと、優先順位や時間の使い方についてしっかり計画を立てる必要があるでしょう。
指示待ちタイプ
最後にご紹介するのは「指示待ちタイプ」、いわゆる「やらされ型」です。
塾の先生などが「これをやりなさい」というものには真摯に取り組みますが、自分で考えて何かをやるのが苦手な子です。
このタイプが、実は一番の注意所かもしれませんね。
塾が与える課題で圧倒的な質と量を行うことにより、高校受験はクリアすることができるかもしれませんが、高校に入ってから困ることが多く、成績は伸び悩みます。
しっかりと自分で考える時間をとることが必要なタイプですね。
余談になりますが・・・
「自分で考える力」というものは、これからの社会で間違いなく必要になってくる力です。
多くの仕事がAIに取って代わられるこの時代、その力こそが自身の新しい価値を生んでいくのです。
そして、小・中・高の期間というのは、その練習をする大切な期間でもあります。
「やりなさいと言われたことに取り組むこと」に比べ、自身で考えたことをやる方が、上手くいかずに失敗したりして傷つく回数は増えるかもしれません。
時間がかかったりすることもあるでしょう。
しかし、「自分で考えてやる」ということを繰り返した子どもは強いはずです!
その経験は、きっと社会に出てから大きく活きてきます。
成績をきちんと取れているということは、紛れもなく子どもが頑張っている証拠ですから、だからこそ、少し先にも目を向けて、選択肢を増やせるようにしておいて下さいね。
高校受験や大学受験で人生が終わるわけでもありません。
その先のほうがずっとずっと長い道のりですから・・・。