なぜ家庭学習は必要なのでしょうか。
なぜ学校での学習だけではダメなのでしょう。
学年が進むにつれ、学習内容も高度になりますから、学習したことを確実に習得するためには、家庭でも毎日机に向かうことが大切です。
そのため、無理なく家庭学習を継続していける習慣を形成していくことが、今後の子どもたちの成長にはとても大切なカギとなってきます。
家庭学習の大切さとは、一体どんなことでしょうか。
苦手教科も伸びる実践方法も併せて、順に見ていきたいと思います。
家庭学習の大切さとはどんなこと?
家庭学習は、学校で習ったことをしっかり身につけるために、また、自ら学ぶ習慣を身につけるためにとても大切なものです。
小学生のうちに机に向かう習慣をつけることが、後々の家庭学習に大きな影響を与えるでしょう。
家庭学習の大切さとはどんなことでしょうか。
- 習ったことを忘れない
- 学習習慣が当たり前の習慣になる
- 脳が発達する
- 我慢強さ・根気・集中力をつける
- 家族とのふれあいができる
習ったことを忘れない
学校で習ったことを家庭で復習することで、習熟・定着を図ることができ、特に漢字や計算などの定着には効果的です。
下のグラフからもわかりますが、人は1日経過すると約半分忘れてしまうと言われています。
しかし、家庭で復習する時間を確保することにより、忘れる量を大幅に減らすことができます。
エジングハウス忘却曲線はみんな聞いたことありますか?それは人間が覚えたことを時間が経つとどれぐらい忘れてしまうことを指しているグラフの事。バイリンガルになるにはまず繰り返してインプットして五感をフルに動かしていくことで人間の忘れるを最小限に抑える事ができる❗️
— ジョン|右脳英語スペシャリスト (@johnnwy) April 19, 2023
家庭学習が当たり前の習慣になる
毎日決めた時間に家庭学習を続けることにより、学習習慣が身につきます。
低学年のうちから続けることで、家庭学習がごく当たり前の基本的生活習慣のひとつとなるでしょう。
家庭学習では、1日でまとめてするのではなく、毎日コツコツと少しずつ行う方が、覚えたり考えたりする力が身につきやすくなりますよ。
- 毎日同じ時間に勉強している
- 毎日同じ時間にテレビを見ている
- 毎日同じ時間におやつを食べている
- 土日も平日の同じリズムで生活しているしている
- 勉強をする時間が決まっていない
- テレビを見る時間が決まっていない
- おやつを食べる時間が決まっていない
- 土日と平日の生活リズムが違う
- 遊びが優先され、勉強をしない日もある
学習習慣が身につくコツ
1分・5分・10分だけドリルをやるなど、子どもにとって簡単にできそうな勉強から始めてみましょう。
「小さな習慣」著者のスティーヴン・ガイズ氏は、人間の脳は新しい習慣を嫌うようにできているため、「最初の一歩」を脳に警戒させないよう「ばかばかしいほど小さな行動」から習慣化をスタートするのがよいと述べています。
ですから、1分が難しいようなら「30秒」でも「10秒」でもOKなのです。
また、ガイズ氏によると「1分だけ勉強する」といった、本人にとって小さすぎる習慣は、結果的に1分以上勉強してしまう確率が高いのだそう。
しかし、「だったら明日は10分」などと目標を上げるのは厳禁です。前日の勉強がどれだけはかどっても、翌日は「本当に1分で切り上げるつもりで行動を起こす」ことが習慣化につながります。
小さな習慣、読んだ!
1️⃣何度も同じ行動を繰り返すことで専用の神経経路をつくり、それを強化していけばいい
2️⃣小さな習慣は自分を信じるためのトレーニングでもある
3️⃣小さすぎて失敗するはずがない行動を毎日繰り返す小さく行動して、出来た!と達成感を継続させる。
— Tsuyo@brush up (@Tsuyo_s1226) January 4, 2020
脳が発達する
読み・書き・計算などの反復練習を続けることで、脳の活性化につながると言われています。
脳も手足の筋肉と同じように、鍛えれば鍛えるほど発達し、たくましくなって、毎日繰り返し使うことで活発に働くようになるのですね。
小学生のうちからどんどん脳を鍛えていきましょう!
【ホットケーキで「脳力」が上がる】テレビゲームをやっているときには、脳の前頭前野(ぜんとうぜんや)は眠ったような、痺れたような状態になっている。楽しいときに、脳は活性化しているとは限らない。むしろ、(嫌々ながら)計算ドリルを解いているときの方が活発に働いている。川島隆太さん著
— あやちん(つぃん)City of Kyoto Sanga-ryz (@pre_ayachin) July 5, 2015
音読と簡単な計算が前頭前野を中心とした脳全体を活性化する:東北大学の川島隆太教授
— 石冢 雄人(奴らを高く吊るせ!) (@vagabond28) November 23, 2015
毎日の勉強はよい脳をつくる“頭のごはん”です。 書籍『自分の脳を自分で育てる~たくましい脳をつくり、じょうずに使う』川島 隆太 著、くもん出版より作成
— 仁藤 雄三 増刷請負人 (@YuzoNito) October 2, 2021
【脳の活性化】 勉強で、まちがいを正すヒントを聞いて、積極的に考える。すると、脳、その中でもとく前頭前野がよく働くのです。 書籍『自分の脳を自分で育てる~たくましい脳をつくり、じょうずに使う』川島 隆太 著、くもん出版より作成
— 仁藤 雄三 増刷請負人 (@YuzoNito) October 7, 2021
我慢強さ・根気・集中力がつく
家庭学習の最大の敵はテレビやゲーム、スマホではないでしょうか。
ゲームなどを毎日2時間以上している子は、一般的に本を読むのが苦手で勉強が嫌いという傾向があるようです。
ゲームなどの誘惑に打ち勝つことにより、我慢強さ・根気・集中力を養うことができ、学習習慣
が身につくようになるでしょう。
テレビやゲームの時間は決めて、ノーテレビ・ノーゲームデーも作るなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか。
家族とのふれあいができる
家庭学習をしている子どもに親が関わることにより、コミュニケーションが図れます。
家族のふれあいの機会が増えることは子どもの精神の安定につながり、心身も頭脳も健やかに育ちますから、是非子どもと触れ合う時間を作ってあげて下さいね。
- 音読やリコーダーをそばで聞いてあげる
- 勉強がわからないときは教えたり一緒に考えたりする
- 国語辞典や漢字辞典などを身近に置き、わからないことは一緒に調べる(徐々に自分で調べられるようにしてあげて下さい)
- 親子でニュース番組・新聞を見る機会を作り、出来事について話し合ってみる
- 親子で読書をする機会を作る
家庭学習を充実させるポイントとは?
家庭学習を充実させるポイントとはどんなことでしょうか。
家庭学習とは、生涯にわたって学び続ける姿勢を養う機会であると考えると、子どもが成長するにつれて、家庭学習の内容は以下の順に移行していくことが理想です。
- 学校や塾の宿題
- 子どもが興味・関心のあること
- 予習・復習、つまづきの解消
まずは宿題をきっかけに子どもの家庭学習の習慣化を図り、次に子どもの興味のあるものについて学び、やがて必要な学習内容へと導いてあげて下さい。
そのために、家族で連携しながら自主学習へと発展させていきましょう。
1.学校や塾の宿題
子どもが宿題をやりたがらず、親に言われて仕方なく机に向かう・・・というパターンは、どこの家庭でも経験があるのではないでしょうか。
子どもが宿題をしたがらないのはごく普通のことですが、なぜ宿題に手をつけないのか明確な理由を探るため、我が子の様子を見てみましょう。
遊びたい!という気持ちが一番大きいかもしれませんが、宿題をする意味について理解していない、やりたいけれどわからない、宿題の存在を忘れているなど、その子によって理由はさまざまです。
また、勉強より遊びに夢中になってしまうのは自然なことですから、いかにやる気を出させて毎日の習慣として定着させるか、これが重要なポイントとなります。
学校からの連絡帳やお便りなどを必ず確認して、持ち物や宿題、テストの予定など、子どもの課題や情報、方向性を共有してあげて下さい。
自主的に実践する子どもは多くありませんから、家庭学習はなんといっても親のアプローチが一番効果的です。
そして、できたら少し大げさに褒める!を実践して、やる気を引き出してあげましょう。
高学年になると、子どもは白々しいと感じることもあるので、具体的にどこが良かったのかを褒めるとやる気もアップ!
言われなくても自分から机に向かえたね
いつもより早く宿題が終わったね
最後まで集中していたね
字が丁寧に書けたね
宿題をきっかけに子どもの家庭学習が習慣化してきたら、次のステップとして、子どもの興味のあるものについて学んでみましょう。
2.子どもが興味・関心のあること
ある書物の中で、“お母さんと子どもがスーパーでの買い物中、あるやりとりをしていたが、非常にもったいない対応をしていた”という内容の話があったそうです。
「いいから、食べたいならカゴに入れなさい。」(お母さん)
・・・いかがでしょうか。
きっと、お母さんに悪気はないのでしょう。
おそらくどの家庭でも、これと似たようなやり取りはあるのではないかと思います。
特に仕事や家事で忙しくしている最中に、子どもから「何で?」「どういうこと?」などと連発されたりすると、とても相手にしていられない・・・という親御さんも多いのではないでしょうか。
しかし、こうした「ゴーヤときゅうり」のような話は、子どもにとっては大発見です。
これまで完全に別物だと思っていた2つの野菜が、ふとしたきっかけで「もしかしたら仲間なのかもしれない」という点に自分で気づいたわけですから。
この発見を誰かに伝えたい、お母さんは知ってるのかなという思いがあるからこそ、この女の子は口に出してお母さんに質問したのでしょうね。
子どもが興味・関心を抱いた瞬間が、その事項に関する学習の始まりだと考えれば、いつ訪れるかわからないその瞬間を逃さないことが非常に重要になるわけです。
この「興味・関心」から、その後の学習につなげていくことができれば、かなりの確率で成功に導くことができるといっていいでしょう。
それが、先ほどの「ゴーヤときゅうり」の話のように、子ども自ら興味を持ってくれたとなれば、その後はどんどん興味関心をもって自ら学びを進めていってくれるはずです。
ですから、先ほどの場面のお母さんの対応というのは、非常に「もったいない」のです。
「本当だ!確かにこの2つ似ているよね!家に帰って一緒に調べてみようか」(お母さん)
お母さんがこのように返答をしていたらどうでしょう。
きっと、この女の子は自分の発見を認めてもらえたうれしさを感じ、自分で調べてみて、この件に関して理解が深まるのはもちろんのこと、そこからもっと興味の対象が広がっていっていたかもしれませんよね。
子どものやる気を高め、勉強に対して前向きにさせる親子の日常会話とは、このような繰り返しと積み重ねではないでしょうか。
毎日ふとした出来事をきっかけに、子どもは様々な「学びの入口」に立つことになります。
勉強をできるだけ楽しく進めるためには、まずは子どもが興味を待ったことから学び、できるなら勉強したことを実際に体験させてあげたり本物を見せたり、植物であれば自然の中で観察したりすることも有効な手段のひとつでしょう。
一見遊びに見えるものなどから学びにつなげていけるのは、小学生には最適ですね。
学ぶことが楽しくなれば家庭学習の継続につながりますから、是非ご家庭でも、子どもが興味を示す瞬間を逃さず家庭学習へと導いてあげて下さい。
3.予習・復習、つまづきの解消
「予習・復習」というと、大変な勉強のように思われるかもしれませんね。
しかし、特に予習に関しては、学年が進むにつれてとても大事になってくるため、早いうちに家庭学習の習慣にしておくことをおすすめします。
授業の内容を前もって少しでも知っておくことで、子どもの気持ちにも余裕ができ、授業内容も頭に入りやすくなります。
予習でわからなかったところに線を引いておくと、そこに注力して授業を受けることもできるので効果的ですよ。
復習で大切なことは、わからないことをそのままにしておかないことです。
わからないことは決して恥ずかしいことではないので、おうちのかたや先生に聞くなどして、即座に解決することを習慣づけましょう。
特に算数は、学んだことを積み上げていく教科なので、前の段階での学習の「つまずき」をそのままにしておくと、だんだん問題が解けなくなってしまいます。
子どもによっては、「わからないところがわからない」場合もあるので、ひとつひとつ確認しながら「わかるところまで戻る」ことが必要です。
例えば、わり算がわからない場合はどうでしょう。
わり算の計算のやり方ではなく、九九でつまずいているときは、「九九」まで戻って学習する
「そこまで戻るの?」と一瞬、気が遠くなるような気持ちになるかもしれませんが、それが一番の近道です。
いくらでも取り戻しがききますから、わからないと思ったら思い切ってぐんと立ち戻って復習しましょう。
以上が、家庭学習を充実させるポイントでした。
では最後に、苦手教科を克服するための工夫・実践方法を解説していきたいと思います。
苦手教科も工夫次第!伸びる実践方法とは?
苦手教科はやる気が出なかったり、勉強すること自体が嫌いになってしまったりします。
しかし、苦手教科の勉強を避ければ避けるほどテストもうまくいかなくなり、余計に嫌いになるというのはよくあることです。
なぜ苦手教科はやる気がでないのでしょうか。
理由は大きく分けて2つ考えられます。
- 集中できないから
- 得意教科と同じような点数が取れないから
「集中できない」ということを理由にして、苦手教科の勉強を避ける子どもがいます。
苦手教科ほど、長時間勉強しないと克服できないと考えている人は多いでしょう。
もちろん勉強時間が長い方が知識や解き方が定着するのは確かです。
ですが、苦手意識のせいで集中できなかったり、やる気が出ないまま机に向かっているのが苦痛だったりすることもあるでしょう。
苦手教科や嫌いな教科は、勉強しても「得意教科と同じような点数が取れない」と感じる子どもが多いでしょう。
思うような点数が取れないことで満足度を得られず、「やっぱりだめだった」「どれだけ勉強してもどうせ点数は上がらない」「それなら勉強したくない」という負のスパイラルに陥りがちです。
しかし、なかなか点数が取れないからこそ「苦手科目」になっているわけですから、一気に得意教科と同じような得点を狙うのは難しいことです。
苦手教科がやる気が出ないのにはこのような理由がありますが、これらを解消することができれば、やる気を引き出すことは可能です!
それでは、苦手教科も工夫次第!伸びる実践方法について具体的に解説していきましょう。
- まずは5分、机に向かってみよう
- まずは最初の5問を解いてみよう
- 「少しずつ」を続けてみよう
- その日に授業でやった問題を1問解いてみよう
- 続けることも目標にしよう
まずは「5分間」机に向かってみよう
苦手科目を勉強するのはつらいという場合、まずは5分間、机に向かうことから始めてみましょう。
苦手教科に対する抵抗感をなくしていくことが大切ですから、5分間机に向かったら、教科書をざっと読んでみるだけでも構いません。
5分間頑張れたならOK!
翌日は10分間に延ばしてみて下さい。
少しの時間でも、子ども自身が「勉強した」と感じられれば大成功です!
まずは最初の「3問」を解いてみよう
宿題やドリルなどがある場合、最初の3問だけ解いてみましょう。
間違えても構いません。
間違えたら、解答・解説を読み、教科書で正しい知識や解き方を確認してもう一度解いてみて下さい。
その3問が正解できれば、これも大成功!
翌日は5問、その次は10問、1ページと、少しずつ増やしていってみましょう。
「少しずつ」を続けてみよう
3日坊主で終わってはもったいないです。
1日少しずつを毎日続けていきましょう。
1日10分でも、1週間続ければ1時間以上になります。
1日30分勉強できるようになれば、1週間で3時間半も勉強したことになりますよ。
その日の授業でやった問題を「1問」を解いてみよう
苦手教科の勉強は、その日の授業でやった問題を1問だけ解いてみましょう。
正解できれば大成功!
その日の授業で習ったばかりの内容は頭に残っているため、復習には向いています。
忘れてしまった内容を勉強し直すよりも解きやすく、早めに復習をした方が定着しやすいのでおすすめですよ。
1問解けるようになったら翌日は3問、5問と増やしていきましょう。
「続けること」も目標にしよう
すぐに達成できる小さい目標を「続ける」ということも目標になります。
1日達成できたら2日、2日達成できたら3日、そこから5日、1週間、10日間と少しずつ延ばしていきましょう。
最初はどんなに小さな目標だとしても、達成していくことが子どもの自信につながります。
苦手意識というものは失敗した経験から生まれることがありますが、たくさんの成功体験をしていくことによって、苦手意識が少しずつ消えていくでしょう。
できることを増やし、毎日少しずつ実践することで、「苦手教科」はいつのまにか「苦手ではない科目」になっていくのではないでしょうか。
◾︎家庭学習の大切さ
塾からご家庭に
責任転嫁しているわけではありません。塾の学習というのは
家庭学習とあわさって
初めて定着するものです。家庭学習をおろそかにするべからず…。
— ZERO先生@受験算数講師 (@chujusansuu) June 28, 2019
お受験をして一番良かったなぁと、思うことは家庭学習の大切さを知ったことっす。
あと解決法はない!魔法もないし近道もない淡々と淡々と日々たんたんたんと
やるしかない。
やっててダメならまた考える。とりあえず 目の前の山を⛰登るのみ!
— ミイラ 起きる (@okada2021) February 7, 2023