家庭学習でもっとも大切なのは継続性。
毎日コツコツ続けていくことです。
そのためには、集中力が続き、無理なく机に向かえる時間を設定する必要がありますね。
では、小学生の子どもの場合、家庭学習の時間の目安はどれくらいに設定すると良いのでしょうか。
ここでは、家庭学習の時間の目安について学年別にご紹介し、更に家庭学習の習慣づけができるコツと教科別学習法も併せてお伝えしたいと思います。
家庭学習において、時間の目安はどれくらいがいい?
家庭学習において、時間の目安はどれくらいがいいのでしょうか。
学年別、時間帯別、教科別にそれぞれ見ていきましょう。
- 小学生の学習時間の目安は?
- 勉強に適した時間帯はいつ?
- 苦手をなくす教科別攻略法!
小学生の学習時間の目安は?
小学生の子どもの場合、よく言われている学習時間の目安が・・・
- 「学年×10分」
- 「学年×10分 + 10分」
- 「学年×15分」
などです。
これらをふまえると、小学1年生であれば10〜20分、小学6年生であれば60〜90分ということになりますね。
集中できずにダラダラと長時間勉強するよりは、短時間集中で取り組むことが大切です。
低学年は10分〜20分
低学年の家庭学習では、まずは学習習慣をつけること!
年齢が低いうちのほうが習慣化しやすいといわれてます。
「帰宅→おやつ→家庭学習」のように、毎日の流れを決めておきましょう。
こうすることで、「おやつの後は勉強の時間だ!」と子ども自身も認識し、習慣化しやすくなります。
しかし、入学してすぐの頃は取り組み方も不慣れなため、宿題のみで15分かかることもあるでしょう。
その場合は、宿題がきちんとできていれば家庭学習を毎日しなくてよい、という日を設けてもいいですね。
自主学習のドリルなどは、取り組む曜日を決めるなどにして、まずは家庭学習の習慣化を狙いましょう。
中学年は30分〜60分
理科と社会が教科として増え、学習量が増える中学年。
この時期には、宿題のほかに自主学習を取り入れることが大切になってきます。
そのため、「最初の30分間で宿題、残りの15分は自主学習」など、時間配分をあらかじめ決めておくといいですね。
また、子どもの主体性を育むためにも、親は一歩引いて子どもをサポートすることも大切になってくる時期です。
選択肢を提示するところからスタートし、子ども自身に宿題の順番や勉強を開始する時間を決めさせたりしながら、徐々に子どもに任せていきましょう。
高学年は50分〜90分
高学年になると、子どもの理解度や苦手分野に合わせた学習をすることが大切です。
基本的には、子ども自身が学習内容を決めるようにしていきますが、親のサポートも欠かせません。
子どもに合わせたアドバイスや教材選びもフォローしてあげて下さい。
完全に子どもから離れるのではなく、「いつも見守っているよ」「いつでもサポートするよ」という姿勢は常に子どもに伝えてあげて下さいね。
宿題と家庭学習を分けて考える場合
「宿題20分 + 休憩 + 自主学習20分」というように、脳を休ませリフレッシュする時間を設けるのが理想的
勉強に適した時間帯はいつ?
「小学生は勉強する時間帯はいつがいいのだろう」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
では、勉強に適した時間帯を考えてみましょう。
- 学校から帰宅した後の夕方
- 夕食後の夜
- 朝起きて登校前に
大きく分けて、以上の3通りになりますが、各家庭のライフスタイルによっても異なります。
いつ勉強すれば効率よくできるのか、子どもの年齢や性格なども考慮して考えてみて下さいね。
朝、登校前に脳を勉強モードに切り替える!
朝から勉強することによって、脳が勉強モードに入り、学校の授業もしっかり脳が働いた状態で受けられるようになります。
朝の勉強が効率的なことは脳科学的にも証明されており、朝起きてから最初の3時間は「脳のゴールデンタイム」と呼ばれています。
また、朝は「締め切り効果」があり、より集中力を高めてくれるのだそう。
これは、「〇時までに学校にいかないといけないから、勉強できるのは〇時まで」と終わりの時間が決まるからです。
朝に向いているものは、100マス計算や漢字の書き取りなど、スピード重視の学習です。
帰宅後の夕方、宿題をやってしまおう!
帰宅後すぐは、学校モードのまま学習できるので、夕方もおすすめの時間帯です。
宿題にすぐ取り組むことで、学校で学んだことをしっかり復習でき、学習内容の定着も図れます。
そして、この時間帯は「宿題を終わらせてから遊ぶ!」などのルールも決めやすいですね。
ゲームやテレビより前に、まずは宿題をするという習慣化につなげましょう。
帰ってすぐに机に向かうことはエネルギーが必要ですが、これが身につくと小学生以降の学習でも有益ですので、是非習慣づけたいルールのひとつです。
夕食前に勉強を終わらせておくことで、「やるべきことは先にやる」という習慣がつきやすくなり、夜はゆっくりと団らんの時間にあてることもできますね。
夜、落ち着いて勉強するもよし
夜、特に食後は眠くなってしまい、勉強には不向きな一面もありますが、入浴を済ませてリラックスした状態で暗記などの学習に取り組むのはおすすめです。
暗記は寝る前に行うと記憶の定着が期待できると言われており、その日に学習した内容を思い出したり、暗記項目を書き出したりすることが有効です。
また、夜は親にわからないところを聞きやすいというメリットもありますね。
各家庭で時間を決め、子どもは家庭学習を、親は読書や仕事を進める時間にするなどして、家族で集中する時間を作るのも良いでしょう。
苦手をなくす教科別攻略法!
家庭学習は、子ども一人ひとりに合った学習ができ、苦手な単元は重点的に勉強して克服できる大切なものです。
では、具体的には苦手教科がある場合にはどのように向き合えばよいのでしょうか。
苦手をなくす教科別攻略方法をご紹介したいと思います。
国語
国語が苦手な子どもは、家で国語の勉強をしていないことが多いです。
家で勉強しているのは、音読、漢字の練習、言葉の意味調べなどでしょうか。
もちろんこれらも国語学習に含まれる大切な勉強ではあるのですが、肝心の読み取りの練習をしていません。
文章を読む力「読解力」をつけるためには?
- どんなことがかかれているのか
- 何を伝えているのか
この2つを考えながら読むことが読解のコツ!
学年相当の内容がしんどい場合
学年相当の文章読解がしんどい場合は、前の学年の読解問題テキストを使うのがおすすめです!
それでも難しい場合には、ためらわずに思い切ってグンと進度を戻してあげて下さい。
ある程度スラスラと問題を解くことができると、「なんだ。そんなに難しくないや!」という自信につながり、その後の学習が長続きするのです。
時間がかかるように感じるかもしれませんが、これが実力をつけていく一番の近道になります。
問題集を解くときの注意ポイント
- 1日15分以上はしない
- 大切だと思ったところに線を引く
- 採点、間違い直しを必ず行う
時間を長引かせないことが、子どもの勉強が長続きするコツです。
15分間と決めたら、それ以上の無理強いはしないこと!
そうすれば、15分間は集中して頑張る習慣がついてくるでしょう。
問題を読みながら、「ここは大切なところかも」と感じた部分に線を引かせて下さい。
最初はどうでもいいところに線を引くかもしれませんが、次第に読解力がついていくと、大切な部分を読み取れるようになっていきますよ。
算数
算数は、計算問題を間違えないように反復練習することが何よりも大切です。
計算は算数において基本中の基本であるため、計算ができていないと思考力の必要な問題にも挑戦しづらくなってしまいます。
子どもが計算を苦手と感じている場合には、くり上がり、くり下がり、九九…など、どこが理解できていないのかきちんと把握し、対策を考えてあげて下さい。
計算力強化には、とにかくたくさんの問題を解くこと、これに限ります!
そして、計算スピードも大変重要になりますから、多くの問題量をこなし、計算力・スピードの両方を身につけましょう。
思考力の必要な問題に挑戦するのはそれからですね。
理科・社会
理科・社会は、小学生のうちは暗記が基本であるため、興味をもつと一気に覚えてしまうでしょう。
そのため、いかにおもしろさを伝えて興味をもたせるかがポイントです。
小学生向けの理科の本や図鑑、歴史のまんがなど、子どもが自然に学べるように準備してあげましょう。
子どもが興味をもっているなと感じるものがあれば、より深く学べるような環境を是非用意してあげて下さいね。
以上、家庭学習における、学年別・時間帯別・教科別の時間の目安でした。
では次に、休日の学習時間の目安について見ていきましょう。
休日の学習時間の目安とは?
休日の勉強時間の目安はどれくらいなのでしょうか。
結論として、休日の理想の勉強時間は、平日の2倍が目安とされています。
したがって、休日の各学年の学習時間は・・・
- 低学年は20分〜40分
- 中学年は60分〜120分
- 高学年は100分〜180分
となります。
学習は「時間よりも質」ですので、長時間ダラダラ勉強しても非効率といえますから、適度に休憩を取りつつ、集中して勉強することを意識して下さい。
土曜日にまとめて勉強して日曜日は全くしない、というよりは、土曜日と日曜日にそれぞれ1〜2時間ずつでも勉強した方が学習効果は高いといえるでしょう。
では、休日の家庭学習で気をつけるべき点を3つ解説しましょう。
- 「ながら勉強」にならないようにする
- 平日と休日の生活リズムは大きく変えない
- 休日の家庭学習は午前中に集中的に!
「ながら勉強」にならないようにする
小学生の集中力は長時間続きません。
休日となると時間のゆとりがあることも相まって、テレビを見ながら、友達や家族と話しながら、お菓子を食べながら、といった「ながら学習」になりやすく、ついついダラダラしてしまいがち。
そのような学習では、そちらに意識がいってしまって学習内容が頭に入ってきませんよね。
学習習慣をつけるという意味でも、15分~30分は集中して机に向かって勉強するのが良いでしょう。
また、30分ごとに小休憩を入れたり内容を変えたりするなどの工夫も有効です。
メリハリをつけて学習できるようにして下さいね。
平日と休日の生活リズムは大きく変えない
学習をスムーズに行うためにも、平日と休日の生活リズムは大きく変えないことが望ましいといえます。
休日の前の日は、ついつい夜更かししてしまいがち。
それによって、休日の朝はお昼過ぎまでぐっすり寝てしまうという子どももいるでしょう。
しかし、休日にしっかりと勉強時間を確保するためには、できるだけ平日と同じ時刻に起きることが望ましいでしょう。
それを無理なく実現するためにも、前の日も就寝時間が遅くならないように心掛けて下さいね。
休日の家庭学習は午前中に集中的に!
休日は午前中にたくさん学習しておくことがおススメです。
なぜなら、学習のスタートを午後まで引き伸ばしてしまうと勉強スイッチが入りにくくなり、集中できないことが多くなってしまうからです。
休日も午前中に勉強することで学習習慣がつき、学校の午前中の授業も集中して受けることができるでしょう。
学校の授業の大半は午前中に行われますから、午前中から集中するリズムをつけておきたいですね。
以上が、休日の勉強時間の目安でした。
では最後に、長期休みの学習時間の上手な使い方について見ていきたいと思います。
長期休み(夏休み)の学習時間の上手な使い方とは?
長期休み(夏休み)は学習時間を上手に使うことが大切です!
長期休みの中でも、特に夏休みはまとまった学習時間がとれるため、普段の2倍以上の時間を学習に費やすことも可能です。
ただし、特に低学年の場合は、長時間続けて勉強に集中するのは難しいため、午前と午後に分けて勉強するなどの工夫をして、夏休みの勉強がしやすい環境を整えてあげて下さいね。
午前中に宿題をしたら、午後は一学期の復習や苦手教科の勉強をするなど、どのように勉強するかスケジュールを立てておくとスムーズに勉強ができますね。
夏休みの宿題
- 7月中に、理科の研究や読書感想文などの内容を決めておく
- 8月上旬までには学校から出された宿題を終わらせる
- 8月中旬までに自由工作を終わらせる
自主学習
- 1学期の復習
- 学校で実施されたテストの振り返り
- 苦手教科の復習