学校や学習塾等、家庭外では学習場所の提供があり、また時間の確保も出来ることから、比較的机に向かう環境づくりが容易になります。
一方、家庭においては、TVやスマホが気になる、簡単に休憩も取れる等、誘惑も多い為、なかなか集中して学習に取り組みにくい側面もありますね。
家庭では学校の宿題しかやらない・もしくは宿題に取り掛かるのに時間がかかる、子どもに学習習慣をつけさせたい、親が言わなくても自ら学習出来る子になってほしい等、お悩みではありませんか。
家庭学習における親の役割とはどのようなものでしょうか?
学習塾や学校の先生では難しくとも、親だからこそ出来る関わりがあります。
では、家庭学習における親の関わりについて見ていきたいと思います。
家庭学習における親の関わりとして重要なのは?
家庭学習における親の関わりとして重要なのは、小学生のうちに学習習慣をつけることです。
そのためのオススメポイントを2つご紹介します。
- 学習記録をつける
- がんばったね表を作る
学習記録をつける
学習習慣をつけるために、毎日どれだけ勉強したのかを書き残しておきましょう。
カレンダーや日記帳等に記すといいですね。
例えば、「算数の○ページを○ページ勉強した」等と書き残しておくと、子ども自身でも学習の振り返りが出来ますし、どれだけ頑張ったかが一目でわかります。
学習習慣がつけば、テスト成績にも反映されるはずですから、「これだけ頑張ったから成果が出たんだな」と実感することも出来ます。
子どものやる気や自信にも繋がりますから、是非とも学習の足跡を残しておきましょう。
がんばったね表を作る
学習した日や頑張った日に、シールを貼ってあげたりハンコを押してあげて下さい。
特に低学年の子どもは可愛いものが大好きですから、やる気の向上に繋がります。
頑張って仕上げたプリントやテキストには花丸や可愛いニッコリマークも。
子ども自身でシールを貼るのも楽しいかもしれませんね。
中学生になって、突然学習習慣がつくというのはなかなか難しいものです。
高校受験・大学受験を視野に入れるのであれば、将来自学自習が出来る子になるべく、出来るだけ早い時期に学習習慣を身につけておきたいですね。
そのため、家庭学習における親の関わりとして重要なのは、小学生のうちに学習習慣を身につけさせることです。
学びとは生涯続くものです。
柔軟性のある小学生のうちに学習を習慣づけることで、勉強のみならず、一生使える力となることでしょう。
では、家庭学習の習慣をつける為に親がすべきこととは具体的には何でしょうか。
家庭学習の習慣をつけさせるためには?
家庭学習の習慣をつける為のポイントは以下の5つです。
- 学習場所を決める
- 学習日時を決める
- 計画を立てる
- 学習時間は短時間で
- 親も学ぶ姿勢を見せる
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
学習場所を決める
特定の場所を学習場所に設定することで、「ここに座ったら勉強だ!」というサインになります。
それを繰り返すことで、無理なく自然に学習時間へと導けるようになります。
学習場所は、本人の学習机、ダイニングテーブル、どちらでも構いません。
テーブルで学習する場合には、スマホやゲーム、おやつ等、気になるものは片付けておきましょう。
TVを消しておくことも忘れずに。
学習日時を決める
決まった日時に繰り返すことにより、学習が習慣化します。
洗顔や入浴、歯磨きと同じですね。
「しないとソワソワ落ち着かない」、毎日のルーティーンになることが理想です。
ただし、その日の体調や状況も鑑みて、子どもに強制しない方向で臨機応変に対応しましょう。
計画を立てる
子どもだけでなく、大人も計画を立てて行動することは大切ですよね。
いつまでに何をするのか、わかり易く可視化することで、目標を立てることにも繋がります。
目標は、以下のようにするのがオススメです。
- その日のもの(○ページまで終わらせる、漢字を○個覚える等)
- 明日(前日にやったところの間違い箇所を再度解く等)
- 一週間後(○○の単元を終わらせる等)
- 一ヶ月後、一年後・・・
と、期間ごとの細かな目標を立てます。
そうすることで、出来るようになったことや成果を見える化し、子どもの意欲向上を図りましょう。
学習時間は短時間で
小学生の勉強時間は、学年×10分と昔からよく言われています。
これは正しいのでしょうか?
これは半分正解、半分不正解です。
なぜなら、子どもによって勉強の効率が異なるからです。
同じ10分でも、効率的な子と非効率な子では全く違います。
よって、前者であれば、学年×10分でも問題ないのかもしれませんが、集中力がない子や勉強に不慣れな子にとっては十分とは言えないでしょう。
「量より質」ではありますが、学習習慣がついていない子は、例えば1教科10分程度×教科数、というふうに短く区切る等、工夫し、休憩も取ってあげましょう。
親も学ぶ姿勢を見せる
「早く宿題をやりなさい!」、「勉強しなさい!」と子どもに言うのは簡単ですが、それでは逆効果です。
子どもは親の背中を見て育ちます。
自発的に学習させる為には、まずは親が学ぶ姿勢を見せることが大切です。
読書をしたり、何か資格の勉強をしてみるのもいいかもしれませんね。
子どもがテーブルで学習する場合には、例えば洗濯物を畳む等、家事をしながらでも良いので、向かい合って座ってあげるというのはいかがでしょうか。
以上が、家庭学習の習慣をつけるためのポイント5つです。
では、親の関わりで気をつけるべきこととはどのようなことでしょうか。
詳しく見ていきたいと思います。
親の関わりで気をつけるべきこととは?
子どもの家庭学習への親の関わりで気をつけたいことは以下の5点です。
- 規則正しい生活を心がける
- 無理強いしない
- 初めから難易度の高過ぎる教材は使わない
- 結果だけでなく努力を褒める
- 親の都合や気分で学習ルールを変更しない
規則正しい生活を心がける
学習習慣をつけるには、まずは規則正しい生活習慣が必要不可欠です。
十分な睡眠、栄養のある食事を適切な時間にとる生活リズムを作ってあげましょう。
また、適度な運動は血流も良くなり脳を活性化させます。
適度に体を動かすように一緒に遊んだり散歩に出かけたり、定期的に体を動かす機会を作ってあげて下さい。
テレビやスマホを見るのは○時まで○分間、という約束事もしておくと良いでしょう。
無理強いしない
小学生のうちは、復習を中心とした学習をオススメします。
子ども自身が興味を持つ場合には、予習や先取り学習をしても問題はありませんが、親が無理強いしたり自己流で教えたりするのはやめましょう。
算数の問題に「数学」の解法を教えたりすると、算数ならではの思考力を奪ってしまいます。
初めから難易度の高過ぎる教材は使わない
難し過ぎる課題を与えると、やり終えるまでに子どもは挫折してしまいます。
学習はスモールステップで、簡単過ぎても難し過ぎてもやる気が出ないものです。
少し難しいくらいがスイッチが入り易く、長く頑張れます。
難しいなと思ったら少し戻って再チャレンジ!
クリア出来た際には大いに褒めてあげて下さい。
結果だけでなく努力を褒める
心理学者ドゥエックの研究の中で、結果を褒めた場合と過程を褒めた場合、子どもにどのような影響が表れるかを示しています。
テストで「良い点を取れたこと=結果」を褒められた子どもは、自分の能力が否定されないよう同じ問題、知っていることだけを繰り返すようになりました。
一方、「努力したこと=過程」を褒められた子は、新しい問題や難しい問題にも果敢にチャレンジするようになったそうです。
誉めるべきは能力or努力?
スタンフォード大の心理学者ドゥエック教授の実験。
思春期の子供達に難問を解かせ、一方は「頭がいいね」と能力を誉め、一方は「頑張ったね」と努力を誉めた。
すると前者は挑戦を渋り成績が落ち、後者は挑戦を続け成績が伸びた。
ほめ方で成長シナリオは明白に分岐する。— 田中成幸| 若者支援系NPOの傭兵隊長/社会課題に取り組む人を支援するプロコーチ (@masayukitanak11) September 7, 2021
このように、子どもは「頑張ったこと」を褒めてあげたほうが、その後の成長が望めます。
どれだけ良い学習環境を整えたとしても、子どものやる気が失われては元も子もありませんよね。
何気ない親の一言で、子どもは自信を失うこともあります。
家で勉強したことを褒めるときには、問題の正解率ではなく、きちんと勉強したこと、頑張って考えて問題を解いたことを褒めてあげて下さい。
親の気分や都合で学習ルールを変更しない
設定した目標が達成された後に、「じゃあもう少しやってみようか!」と親の都合で勉強時間を増やしてはいけません。
子どもは「せっかく頑張ったのに、結局まだやらされる」とやる気をなくしてしまいます。
また、早く学習を終えたからといって、「今日は早く終わったし、もう少し出来るよね!」と言うのもやめましょう。
やりたいことがあるから、子どもは早く学習を終える為に集中して頑張ったのかもしれませんよね。
達成感を与え、親は約束を守ってくれると子どもに信頼させる為にも、最初に決めた目標が終わったら切り上げて好きなことをさせてあげましょう。