定期テスト勉強や受験勉強をしていると、済んだはずの範囲が覚えきれていなかったり、完璧だと思ったはずなのに忘れていることってありますよね。
そして忘れる度にまた覚える作業の繰り返し・・・
勉強って、繰り返すしかないのでしょうか。
繰り返してもやっぱり忘れるし、嫌になることもありますよね。
そこで、ここでは、勉強は繰り返すしかないのか、忘れてしまう脳の仕組みについても見ていきたいと思います。
勉強は繰り返すしかないの?エビングハウスの忘却曲線とは?
結論を先に申し上げると、勉強は繰り返すしかないようです。
突然ですが、「エビングハウスの忘却曲線」という言葉を見聞きしたことはありますか?
ここでは、まずエビングハウスの忘却曲線について少しお話したいと思います。
エビングハウスの忘却曲線とは
コトバンクによると、エビングハウスの忘却曲線とは、
記憶したことが、時間の経過によって、どのように忘却されてゆくかを示す曲線。ドイツの心理学者エビングハウスが一八八五年に最初に見出した。最初急速に下降し、時間がたつとともに徐々に低下する。(精選版 日本国語大辞典より )
とされています。
これを図で示すとこのようになります。
心理学者エビングハウスによれば、
記憶の保持は時間とともに減少し、忘却率が増大する。無意味な,関心の薄いものは忘れやすく,感動的体験や反復記銘は保持を良くする。(世界大百科事典より)
とされています。
したがって、どんなに完璧に覚えたつもりであっても忘れてしまうのは、誰のせいでもなくごく当たり前のことなのです。
以上、勉強は繰り返すしかないのか?まずはエビングハウスの忘却曲線をご紹介しました。
次に、勉強は繰り返すしかないのかについて、海馬の仕組みから考えてみたいと思います。
勉強は繰り返すしかないの?海馬の仕組みって?
勉強は繰り返すしかないのかについて、海馬の仕組みから考えてみましょう。
海馬はなんとなく聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
コトバンクの海馬の説明の一部を引用します。
大脳皮質側頭葉の奥深くにある大脳古皮質の一領域。近年,脳生理学における記憶のメカニズムの研究は海馬を中心に進んできており,少なくとも新しい記憶の貯蔵装置としての海馬の役割は疑う余地がなくなった。(中略)こうした事実から,海馬は新しい記憶が長期記憶として安定するまでの間,近時記憶の貯蔵装置として働いていると考えられている。(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より)
海馬の仕組み
脳科学者の池谷裕二氏によれば、海馬は保管した情報のうち「生きていくのに不可欠」だと判断したものだけを、長期記憶として大脳皮質に送るのだそうです。
つまり、「生きていくのに不可欠」だと判断されなかった情報は貯蔵されないのです。
私たちが勉強する内容って、「生きていくのに不可欠」とまでは言えないですよね。
だから、貯蔵されず忘れてしまうというわけです。
ところが、池谷氏が言うには、同じ情報を繰り返し脳に送ると、海馬に「生きていくのに必要な情報だ」と判断させ、記憶として定着させることができるそうです。
つまり、この海馬の仕組みこそが、勉強が繰り返すしかないと言われる理由なのです。
以上、勉強は繰り返すしかないのかについて、海馬の仕組みから考えてみました。
次に、勉強を繰り返すしかないと言っても、どのように繰り返せばいいのか、見ていきましょう。
勉強を繰り返すのに自分にピッタリな復習期間を見つけよう!
勉強を繰り返すしかないのは理解できたとして、どのように繰り返せばいいのでしょうか。
これについては、実は様々な方法が提唱されています。
- 7回同じ本を読む方法(山口真由氏)
- 2歩進み1歩下がりながら、同じページを3回読む方法(池田義博氏)
- 2か月かけて4回復習する方法(池谷裕二氏)
他にも、世の中には勉強の繰り返しの方法はいくらでもあると思います。
どの方法にも共通しているのは、「記憶は『繰り返し塗り重ねる』ことで強化される」ということです。
人によって、覚えるのに3回でいい人もいれば、10回必要な人もいます。
覚える内容や対象のにどれほど興味があるかによっても変わるでしょう。
ですから、大切なことは、「記憶は『繰り返し塗り重ねる』ことで強化される」ということを意識しながら、自分にとってピッタリな復習期間・回数を見つけてあげることなのです。
以上、勉強を繰り返すしかないのは理解できたとして、どのように繰り返せばいいのか見てきました。
最後に、勉強を繰り返すしかないことについてみんなの意見ややり方を覗いてみましょう。
勉強を繰り返すしかないってどう思う?みんなのやり方は?
勉強を繰り返すしかないことについてみんなの意見ややり方を見てみましょう。
おおむね受け入れ、努力する
何かに向かって勉強している人は、「人は忘れる生き物だ」ということを受け入れ、努力することができる人が多いように思いました。
勉強の仕方でも色々な方法があると思います。
どれが合うかは人それぞれだと思います。
人間は忘れる生き物です。思い出す作業が必要です。忘れて覚えてを繰り返すしかないと思っています。
行政法を勉強したら民法を忘れてしまうのです。悲しい。
嘆きながら勉強してまいります。— わっち@行政書士受験生 (@watchi20204) April 12, 2022
天才でない限り記憶を定着させるには、繰り返すしかない。仕事も勉強も一度聞いただけでは出来るようにはならない。それを何度も実践して初めて、分かるようになるし出来るようになる。呼吸をするように同じことが出来て、ようやく定着した状態になれる。
— 平井 ユウ|シンクインク(株) 代表取締役 (@thinkinc0209) April 9, 2023
みんなのやり方は?
自分に合う方法を確立する
おはようございます☀
子供たち、改善する力は大切。例えばテスト勉強。先生が教える勉強法は全員にあう勉強法ではない。自分にあう勉強法を確立するのが1番。そのためには常に考え経験を踏まえて改善を繰り返すしかない。スポーツでも仕事でも同じ。人に言われた通りやるだけでは伸びしろがないよ😊 pic.twitter.com/8xQexEpA1l
— たつや@365日子どもと🍀 (@sinjyagatatsuya) November 5, 2021
自分に合う方法を確立するということは、自分に合う復習期間や回数を見つけるということですよね。
効率を求めず慣れる
急がば回れ。毎日英語の勉強で思う。慣れるまで何百回、何千回と繰り返すしかないのかな。他にも抜け道があるんじゃないのかな。すぐ効率を求めてしまう。けれど結局慣れるって最強。車の運転もブラインドタッチも毎日のお弁当でさえ、やっているうちにどんどん上手になった。今日も何億回を目指して。
— ワヲン (@collecara24) April 26, 2023
地道に繰り返すって、効率悪く感じるのでどうしても早道ないのかな~って思っちゃいますよね。
けれども、勉強に限らず生活の中で考えると慣れると何であれ簡単にできますよね。
復習時間ではなく復習回数
めちゃくちゃ勉強してるのに伸びない。僕が教える子にも時々います。でも原因は殆どこれ。ガッツリ復習しすぎです。1回だけ深く復習しても99%忘れます。それより復習回数を意識してちょい復習が効果的。記憶定着には時間ではなく回数を意識すべき。短時間の復習を何回も繰り返す。結局これが最強です。
— しも@簿記系ジョブホッパー (@kaikeinochikara) June 23, 2023
記憶は塗り重ねることが大切でしたね。
エビングハウスの忘却曲線からも、時間経過により忘れてしまうことは明らかでした。
ですから、復習時間よりも回数を意識しましょう。