中学受験する子の小学校の成績はどのくらい?学校の勉強と何が違う?

成績

少子化が叫ばれる中、全国的に中学受験の人気は高く、毎年受験者数は更新され、特に東京では近年、受験率は20%を超えているそうです。

たしかに年々受験者数は増えており、受験率も目を見張るものはあります。

それでも東京でさえ4~5人に1人の受験ということは、中学受験をする子はもれなく小学校の成績は良いのでしょうか。

そこで、ここでは、中学受験をするには小学校の成績はどのくらい良くないといけないのかについて、詳しく見ていきたいと思います。

中学受験をするには小学校の成績はどのくらい良くないといけないのか

中学受験をするのに、小学校の成績がある水準以上を満たしていなければならないというルールはありません(帰国生枠等特殊な場合を除く)。

実際に、私立中学校の募集要項を見てみるとほとんどの学校の出願資格は、『○年○月に小学校卒業見込みの者』としか書かれていません。

それでも、中学受験をする子たちの学校での成績が、実際のところどの程度のものなのか、気になりますよね。

そもそも‘小学校の成績’という表現が曖昧なため、ここで、整理をしておこうと思います。

小学校の成績とは

小学校の成績とは何を指すのでしょうか。

まず最初に思いつくのは、通知表です。

そして次に、各教科・科目における小テストや学期ごとのテスト、学年末テストの素点です。

ここでは、便宜上、通知表と各種テストという表現を用いることとします。

通知表と各種テストの性質のちがい。中学受験と関連があるのは?

文部科学省によると、通知表とは、

児童生徒の学習状況について保護者に対して伝えるもの。
法令上の規定や、様式に関して国として例示したものはない。(教育課程部会資料6-2より)

とされています。

つまり、通知表は学校・担任の先生の付け方によるところが大きくなります。

さらに、児童生徒のすべての学習状況について記載されるので、中学受験には基本的に直接必要のないいわゆる副教科についても評価がなされています。

したがって、中学受験をする子がどのような通知表であるかは参考になりそうもなく、気にする必要もなさそうですね。

他方で、素点が出る各種テストといえば基本的には中学受験にかかわる主要科目ですね。

音楽や体育等実技についてもテストは毎学期実施されているでしょうが、素点という形ではないでしょう。

よって、中学受験をするのに、小学校の成績がある水準以上を満たしていなければならないというルールはないため、成績は関係ありませんとなるところですが・・・・

やはり、中学受験をする子の通知表はともかく各種テストの素点はどうなのかが気になりますよね。

そもそも小学校の勉強と中学受験はどういう関係にあるのでしょうか。

小学校の勉強と中学受験は別物とよく聞きますよね。

そこで、中学受験経験者でもある私が、学習塾での勤務経験上の実例もご紹介しつつ考えてみたいと思います。

小学校の勉強と中学受験は別物?

小学校の勉強と中学受験は別物です。

と言いたいところですが、この表現は誤解を生むと思っています。

たしかに、中学受験専門塾へ行けば、小学校で習わないような解き方を学びますし、中学受験の参考書にもそのような解説は載っています。

しかし、だからと言って、小学校の勉強と中学校の勉強が全く別の勉強だという考え、すなわち、小学校で学んでいることと中学受験で問われることは全く別のものだという考えは完全に間違っています。

なぜなら、そういう考え方をしていると、中学受験の方が難しいから、受験の勉強をする時間を確保したいから、小学校での勉強をおろそかにするという結果になりかねないからです。

基礎は大切

楽器をされる方ならわかると思いますが、基礎錬って大切ですよね。

運動をされる方ならわかると思いますが、筋トレや基礎トレーニングって大切ですよね。

その世界のプロほど、基礎を大切にしているはずです。

小学校で学ぶことはまさに基礎となるもので、それをないがしろにしていては、中学受験で成功することは難しいでしょう。

ここで、一つ、私の経験則をご紹介します。

私は個別指導塾での指導経験があるのですが、もちろん中学受験生もたくさんみてきました。

個別指導塾に通う中学受験生の多くは、中学受験専門の集団塾との掛け持ちです。

詳細はここでは割愛しますが、中学受験は親の受験だと言われるほど、ご家庭での負担が大きいです。

そういわれる理由のひとつが、そういった中学受験専門塾で学んだことを家庭でフォローすることの大変さです。

そのフォロー負担を少しでも軽減させるため、個別指導塾に通うのです。

私の経験則に照らすと、中学受験に何かしらの形で成功する子どもたちやご家庭の中で、学校の宿題を持参した子はいませんでした。

しかし、中学受験に結果的に失敗してしまった子どもたちの中には、学校の課題を持参する子がみられました。

すなわち、受験に成功する子どもたちは、学校の宿題は自分であるいは家庭内で完結させ、追加負担となっている消化できない部分を塾へ頼ります。

他方で、失敗してしまう子は、学校の課題や宿題でさえ塾に持ってこないとこなせない、できていないのです。

小学校の勉強と中学受験は別物か?

私の思う、結論はこうです。

やはり、小学校の勉強と中学受験は別物でしょう。ただし、小学校の勉強は基礎でありそれを抜きにして中学受験は成功しません。

では、小学校の成績がよければ中学受験をするべきなのでしょうか。

小学校の成績がよければ中学受験をするべきか

これは明確で、学校の成績が良いから中学受験をしようと安易に考えるのは危険です。

なぜなら、いくら学校の成績が良いからとは言っても、中学受験独特の学習はやはりやらなければいけませんし、その質と量は並大抵ではありません。

つまり、先に述べたように、小学校の成績はあくまでも基礎レベルの話であって、中学受験で問われる知識はもっと広く深く必要なのです。

さらに、発想力、ひらめきを問う中学校も多いです。

例えば、計算問題でよくあるのは、工夫して解きなさいという問題です。

普通の解き方で解いても答えは出るんです。

でも、計算過程を答案用紙に書いて提出しなければいけないので、工夫ができていなければ、その問題には答えたことにはならないのです。

そしてこの工夫こそ、発想力です。

中学受験は異質な世界だと思います。

先に述べたように、中学受験は家庭でのフォロー、家族の協力が必要不可欠で、その成功のカギは決して受験する子どもたち自身の努力だけではないのです。

まずは、そのような過酷な世界を経験してでも行きたいという強い意志が子ども本人の中に明確にあって、さらに家族の支えが万全であることが必要ですね。

以上のことから、中学受験に成功する子は結果的に、小学校の成績(各種テスト)は上位でしょうし、家族の相当な支えがあったことも想像ができます。

ただし、小学校の成績(各種テスト)が良いからと言って、必ずしも中学受験は成功しないのです。

難しいですね。

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