小学校は、初等教育機関と呼ばれ、読み・書き・計算の基礎を学ぶところです。
小学校で基礎学力がつくから、小学校の成績は大切らしい。
勉強の基礎ができていないと後から苦労するらしい。
聞いたことありますよね。
では、小学校の成績が悪ければ、将来真っ暗でしょうか。
小学校の成績が良ければ、将来安泰でしょうか。
そこで、ここでは、小学校の成績は将来にどう影響するのかについて、詳しく見ていきたいと思います。
小学校の成績で将来は決まるのか?
小学校の成績で将来は決まりません。
理由は、小学校の成績はあてにならないからです。
これは、小学校の先生を批判しているわけでは決してありません。
後ほど紹介しますが、むしろ小学校の先生は大人の都合のはざまで大変苦労されています。
まずは、小学校の成績の付け方である、絶対評価と相対評価の現実についてみていきたいと思います。
小学校の成績の付け方は絶対評価なのに実は相対評価
文部科学省によると、現在採用されている評価方法は絶対評価です。
新学習指導要領においては、基礎的・基本的な内容を確実に身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」を育成することを重視していることから、評価についても、学習指導要領に示す目標に照らしてその実現状況を見る評価を一層重視することが重要となります。このため、指導要録においても、これまでの考え方を更に発展させ、従来から「目標に準拠した評価」による「観点別学習状況の評価」に加え、「評定」(各教科の学習状況を総括的に評価するもの)についても、「集団に準拠した評価」(いわゆる相対評価)から、「目標に準拠した評価」(いわゆる絶対評価)に改めたところです。(文部科学省 『確かな学力Q&A』)
ところが、どうやら絶対評価が徹底されているかどうかは、自治体・教育委員会によってまちまちなようです。
ツイッターをのぞいてみると、学校の現場の先生方は、文部科学省と学校の管理職とのはざまで大変な苦労をされていることがわかります。
「え、通知表全部やり直し?」
友人の小学校教員。授業力を毎日磨き続け、全員が評価B(できました)以上になった。しかし、通知表を作成すると「差が出るからCを付けなさい」と返却やりなおしになったそうだ。個人の努力も学年全体に波及できなければ無意味なのが学校。なかなかハードルが高い。。
— とも🌸HSP教員【人間関係整え屋】 (@tomohiro33333) July 16, 2022
通知表、あれ、ほぼ意味無い。
A評価は何人くらいまでと決まっているし、ガチヤバでもCは、ほぼ付けないし、一つもAないのは可哀想とかで付けたりもするし、何の根拠もないブレブレ評価。そして所見は管理職の好みによって書き換えられる。
通知表に一喜一憂しなくていいし、わたしも惰性で作ってる。— まな🐻❄️8m (@HfLTuPZJpTBJivM) March 17, 2022
管理職『成績は絶対評価です。ただし評定の学年平均値は指定の範囲内に収まるようにしてください。』
評定を出す際に、この縛りがいつも頭を抱える要因です。小学校の先生も『Aが多いので減らすように』『Cを増やすように』と管理職から言われるそうですね。#教師のバトン #絶対評価 #成績 #通知表
— 高校英語教師 (@high_school_JTE) July 18, 2022
自治体によっては、Aは何%など、決められているところもあるとか。
それだと、もはや絶対評価できないですよね。
そのため、実際のところ、通知表について疑問を持つ先生方も少なくないようです。
通知表ABCの3段階評価なのだが、正直ぶっちぎりAとギリギリAが同じ評価の見た目になるのに違和感を感じる。より顕著なのがCで、その中でも差は半端ではない。
そもそも人間の能力をたった3つに分類するのだからしょうがないか…— とんぼ先生 (@uWLYJkyd9Nq2o4) December 12, 2022
【学校の闇】
毎日、自主学習ノートに学習して、その日の学習の感想や次回に向けての意気込み。授業や提出物も花丸。でも、学力が低い子っていますよね。
意欲Aにすると管理職から「知識Cなのに意欲Aなんてあり得ないBにして」と指導される。おかしい。#通知表#教員あるある#教師のバトン
— キリン先生@小学校教諭 (@kirinsensei9) December 25, 2021
以上より、小学校の成績はすべてとは言わないまでも、やはり主観や裁量がどうしても見え隠れします。
よって、小学校の成績で将来が決まるとはいえなさそうです。
それでは、小学校卒業後の中学校はどうでしょうか。
小学校の成績で、近い将来である中学校の成績が決まると言えるでしょうか?
小学校の成績で、近い将来である中学校の成績は決まるのか?
こちらも、結論としては、小学校の成績で、中学校の成績は決まらないと私は考えます。
こちらの記事でも触れている通り、小学校の成績は3段階で付けられます。
そして中学校では成績は5段階になります。
現場の先生方の印象だと、
小学校の「A」⇒中学校の「5」
小学校の「B」⇒中学校の「4」「3」「2」
小学校の「C」⇒中学校の「1」
くらいの感覚だそうです。
注目すべきは小学校の「B」の成績は、中学校だと「2」にも「4」にもなりうるという点です。
小学校の通知表に「B」があったら、平均くらいかなと思っていませんか?
でも実際には小学校で「B」を取っていても、「2」がつくことがあるんですよ。
以上より、小学校の成績で、中学校の成績は決まらない(というかあてにならない)と言えますね。
しかし、一つ、小学校のあいだに身につけたあるものは、将来に影響すると考えています。
それは、学習習慣です。
次は、小学校のあいだに身につけたい学習習慣について考えます。
小学校のあいだに身についた学習習慣は影響する
小学校のあいだに身についた学習習慣は、将来に影響すると考えています。
将来とはなにを指すかが曖昧ですが、ここでは成績の話を進めていますので、大学受験をゴールとしてみたいと思います。
大きなパターンとしてありうるのは、以下のようになります。
結局のところ、学習習慣の定着とその継続に話は終着します。
このブログでもたびたび登場しますが、学習の要は、習慣化と継続です。
これを抜きに勉強や受験は語れません。
私は、中学受験経験者ですが、小学校の頃はかなり勉強をしたと思っています。
当時の小学校の成績は、体育を除いて「よくできる」ばかりでした。
その後、中高一貫校で怠け者になるというよくある経過を辿るのですが、それでも第一志望の大学に合格しました。
中学受験については賛否ありますが、私は自身も経験していることから、賛成の立場です。
進学する中学校の偏差値がどうであれ、中学受験という機会を通じて学習習慣は身につくからです。
中高で怠け者になった私が大学受験で再び集中できたのは、小学生のときの頑張り、学習習慣を思い出せたからだと、今でも思っています。
学習習慣を小学生のときに身につければ、基礎学力はつくはずです。
しかし、基礎学力だけでは高校受験、大学受験は戦えません。
小学校で身につけた学習習慣と基礎学力を土台にして、さらに中学校、高校で応用力を養っていく。
これが私の思う、小学校の将来へのいい意味での影響です。