昨今の学習指導要領改正で、教科書も新しくなりました。
英語においては、英単語数が大幅に増量され、前学年に降りてきた文法もあります。
中学3年生の学習範囲に高校英語の文法も一部前倒しされています。
こんなに英語英語英語英語の環境・・・英語の成績を上げる方法、知りたいですよね。
英語の勉強をしているのに英語の成績が上がらない!
そもそも今からどうやって勉強したら良いかわからない!
英語の成績を上げる方法は、テストごとに少しずつ異なります。
そこで、ここでは、英語の成績を上げる方法として「定期テスト編」「実力テスト・模試・高校受験編」「リスニング編」の3本柱でご紹介しようと思います。
英語の成績を上げる方法!定期テスト対策編
定期テストで英語の成績を上げる方法は、暗記です。
定期テスト対策として暗記するべきものを列挙してみますね。
- テスト範囲の単語
- テスト範囲の熟語
- テスト範囲の教科書本文
- テスト範囲のワーク等
つまり、テスト範囲で示された教科書・ワーク等すべてについて暗記ができれば、かなりの高得点が取れます。
当たり前じゃないかと言われそうですが、これが定期テストで英語の成績を上げやすい理由です。
定期テストにおける英語の成績は、暗記がものをいうんです。これは変えようのない事実です。
でも、そんなに暗記暗記って、テキスト範囲全部とかできないわー。と落胆の声が聞こえてきそうなので、少なくともこんなふうにやってみてほしいという方法をお伝えしようと思います。
ここで注意点ですが、英語だけに限らず、学習の大切なポイントの一つは目的意識をもつことです。
暗記しろと言われたから暗記しているのではなく、なぜ暗記するのかの目的を考えながら取り組まなければまったく意味がありませんし、英語の成績が上がることはありえません。
そのあたりも交えつつ、ご紹介します。
定期テストの英語は暗記がものをいう
テスト範囲の単語
これはほぼ説明不要かと思いますが、定期テストを受けるのに単語の勉強をしないのは論外です。
100点のうち5~10点ほどは点数が配分されているのですから、必ず暗記してください。
100点のうち5点しかないのか。と言われそうですが、中学で学習する単語は今後高校でも必ず必要になります。
いずれ覚えないといけないのですから、テストで範囲が指定されているうちに覚えましょう。
ただし、発信語彙と受容語彙のメリハリをつけることを忘れずに。
学習指導要領改正で、「意味・聞く・読む・書く・話すために必要な語彙(発信語彙)」と「意味・聞く・読むために必要な語彙(受容語彙)」の区別をするよう指示がされています。
ほとんどの教科書では太字・細字でスペリングまで必要かどうか、区別がされているみたいですね。
意味、スペリング(発信語彙)、正しい発音をワンセットで覚えます。
テスト範囲の熟語
こちらも定期テストで頻出ですね。
単語と違って、2語以上で覚えるのが熟語の特徴です。
使い方もきっちり正確に覚えてください。
例えば、高校受験頻出の「~するのを楽しみする」という意味の熟語、「 look forword to ~」がありますが、~ の部分には、何がまたはどんな形が入りますか?
答えは、名詞または動詞の~ing形です。
ここまできっちり覚えてテストに臨まないと、「to+ 動詞の原形」や「be going to +動詞の原形」と混同してしまうのです。
「あなたに会うのを楽しみにしています。」
※実際、lookはこのように進行形で出題されることが多いです。したがって、1つの英文中に2つのingが出現するので、なんとなく違和感をもつ生徒が多いのかなと推察されます。
テスト範囲の教科書本文
教科書の指定されたテスト範囲には、lessonやunitがいくつか含まれ、本文が何種類かあると思います。
場合によっては、ちょっとした長さの読み物も含まれるかもしれませんね。
この本文を暗記します。
ここでは、本文暗記をなぜするのか(目的意識)のポイントや暗記するコツをお伝えしますね。
音が覚えられれば、単語のスペリングは後から重点的に暗記すれば良いですし、1文のうちすべてが知らない単語ということは無いはずです。
英文をまとまりに分けることは、長文読解とリスニングで役に立つ方法です。
例を挙げてまとまりに分けてみましょう。
My father plays golf every weekend.
My father / plays / golf / every weekend.
私の父は / する / ゴルフを / 毎週末に
中学1年生や2年生ではまだ文法が初期段階であるため、1文が長くなることはそんなに多くはありませんし、まだ英語の語順にも不慣れな場合が多いですので、このようにまとまりを細かくしても良いです。
他方で、3年生になってくると文法の習得が進んで、一文が長くなっていきます。
English is a language which is used by a lot of people all over the world.
English is a language / which is used / by a lot of people / all over the world.
英語は言語である / 使われている / たくさんの人々によって / 世界中で
こんな感じです。
長文読解では、この区切りごとに意味を当てながら読んでいくのです。
リスニングでも、一文が長い場合は / の部分に若干の間が入って話されますので、同じように区切りごとに意味を当てていきます。
実は中学英語の文法というのは、動詞を変化させるなど、7割くらいは動詞ににまつわるものです。
重要度合いを加味すると個人的には8割くらい何かしら動詞に関わるなぁという印象です。
したがって、動詞に注目することは文法に注目しているのと同じです。
テスト範囲の教科書本文の文章は、すべてが新しい文法で成り立っているのでははなく、それ以前の範囲の文法も含まれますよね。
ですから、本文暗記において動詞に注目する目的は文法の復習です。
「あれ?なんだったかなこれ?」と思ったら、必ず戻って復習してくださいね。
「なぜこんなところに動詞のing形が?-ed形が?」
こんなふうに‘なぜ’の意識を持つことも大切です。
前置詞ってなに?と思う人もいると思います。
○○詞については、中学生の間はそこまで気にして覚える必要はありません。
でも、英語の勉強をきちんとしていくと、自然と覚えていくんですよ。
むしろ高校生になると○○詞は教科書だけでなく参考書やいろんな場面で出てくるので、いずれ覚えることになるんですよね。
さて、本文暗記において前置詞に注目する目的は、ずばり、テストに出やすいからです。
例えば定期テストの本文問題で文中に( ① )があって、適語を入れなさい問題、見たことありませんか?
あれ、前置詞が狙われやすいんですよね。
There is a picture ( ) the wall.
答えは on 一択です。
これは「壁に」の「on the wall 」を知っているかの問題でした。
この教科書本文暗記の作業は実は新出単語の暗記も兼ね備えているので、非常におすすめです。
テスト範囲のワーク等
ワークの暗記については、ワークの暗記箇所に注意してください。
ワークの問題のうち( )を埋める問題って結構多いと思うんですが、暗記箇所は( )だけじゃダメです。
( )を含む全文を暗記してください。
理由は、( )の箇所以外も定期テストで問われるかもしれないからです。
その際も、教科書本文の暗記のところで紹介したような目的意識を持つことを忘れないでください。
定期テストの理解事項は文法だけ
英語の定期テストにおいては、理屈で理解するのは文法だけで、その文法でさえ暗記に頼るしかない場面も多いです。
人は忘れる生き物ですから、暗記したことを忘れると思います。
でも、暗記ではなく知識に変換したとたん、今度は忘れたくても忘れられなくなります。
知識に変換するには、何度も何度も何度も何度も反復して、刷り込むほかありません。
英語という教科特有のワナ!完璧じゃなければ点にならない
先ほど、本文暗記のところでも触れたのですが、英文は、そのテスト範囲‘だけ’で成り立っていないですよね。
例えば、「take care of ~」の熟語を覚えたとしましょう。「~を世話する」という意味で、~ にはthe baby(名詞) やhim・her等(目的格)が入る、よしよし。覚えた!
そこで、出題パターンを以下のように考えてみました。
Q. 彼はときどき彼の弟を世話する。
He( )( )( )( )his brother.
⇒動詞はtake?→主語がheなので三人称単数、現在形の話なのでtakes
⇒「ときどき」を表す単語は?→sometimes
⇒sometimesの文中での位置は?→頻度を表す副詞はbe動詞の後、一般動詞の前→takeは一般動詞なので前に
A. He( sometimes )( takes )( care )( of )his brother.
Q. 彼は昨日彼の弟を世話した。
He ( )( )( )( )( )yesterday.
⇒動詞はtake?→過去の話なので過去形
⇒takeは不規則変化動詞→take-took-taken と変化するからtook
A. He ( took )( care )( of )( his )( brother )yesterday.
どうですか?英作文でなく( )を埋める問題です。
なのに、「take care of ~」を正確に覚えたところで、英作文ではなかったとしても、英作文並みに正しい文法運用力がないと、点数にならないんですよね。
これが英語という教科特有の苦しいワナです。
英作文であるならさらに難度は上がり、brother や yesterday のスペリング・yesterday が文末であることまで完璧でなくてはいけないのです。
英語は積み重ねの教科
このように、英語は積み重ねであることが非常に色濃い教科です。
けれども、着実に着実に進めていけば、きちんと理解しながら進めていけば、成績が安定する教科でもあります。
例えば、理科で分野によって、苦手と得意があったりしませんか?
社会の日本史は好きだけど地理はイマイチとかありませんか?
英語はそういう教科内でのムラがとても少ない教科だと思っています。
先ほども述べた通り、いったん知識にしてしまうと、忘れられないのです。
ですから、英語の文法は新しいことを学ぶたび、ここで必ず覚えきって知識にするんだという気持ちで取り組みましょう。
仮に忘れてしまっても、「戻って復習する・戻ってやり直すこと」を躊躇わずに繰り返していれば、必ず英語の力はつきます。
定期テストで英語の成績を上げる方法は、暗記でした。
では、模試・高校受験で英語の成績を上げる方法はなんでしょうか。
英語の成績を上げる方法!実力テスト・模試・高校受験対策編
実力テスト・模試・高校受験で英語の成績を上げる方法は、定期テストの勉強をサボらないことと実力テスト・模試・過去問の復習です。
順番に紹介しましょう。
実力テスト・模試・高校受験で英語の成績を上げるベースは定期テストの暗記
実力テスト・模試・高校受験で英語の成績を上げる方法の根底にあるのは、定期テストの勉強をしっかりしていることです。
まず、実力テスト・模試・高校受験の英語の特徴は、ズバリ、初見問題です。
昨今の学習指導要領改正で、定期テストにも初見問題を出す中学校も増えてきている模様です。
初見の問題という理由で、定期テスト(見たことある英文)と実力テスト・模試・高校受験(見たことない英文)を別物と考える人がとても多いです。
それは完全な誤りです。
正しくはこうです。
定期テストの勉強(暗記でしたね?)をすることで、引き出しを作ります。
初見問題を解くには引き出しから知識を出してくる必要があります。
ですから引き出しはたくさんあった方が良いですよね?これが、語彙力・文法知識の豊富さです。
でも、引き出しがたくさんあると、間違った引き出しを開けることもあります。
だから、正確な文法運用力(いつでもどの文法分野でも運用できる、完璧な文法理解)が必要なんです。
つまり、定期テストの勉強でたくさん作った引き出しを正しく使用して解く問題が、初見問題というわけです。
定期テスト勉強以外でも暗記が必要
さらに、実力テスト・模試・高校受験で英語の成績を上げるとなると他にもすべき暗記があるんですよね。
例えば、英単語や熟語。
中学校での習得すべき単語数は文部科学省が決めていますが、どの単語を教科書に使うかは教科書会社に任せられています。
日本には教科書を作っている出版社がたくさんあって、例えば同じ都道府県内でも中学校(正確には地区)によって使っている教科書はバラバラなんです。
ですから、習う英単語や時期に差が生まれますよね。
もちろん、教科書会社はデータ収集をし、分析をしているわけですから、その教科書だけでも必要な単語の習得はできます。
個人的な意見ですが、英単語の学習に学年は関係なく、余裕があるのであれば早ければ早いほど良いと考えています。
ですから、1冊にまとまった単語帳は使い勝手も良くおすすめですよ。
実力テスト・模試・受験校の過去問は復習にこそ意味がある
実力テスト・模試・受験校の過去問を、「自分の学力がどの程度ついているのかの指標」や「偏差値による志望校合否判定素材」と考えている人は多いと思います。
けれども、実力テスト・模試・受験校の過去問の真の価値というのは「良質な問題」と「良質な解説」にあります。
もちろん、本番さながらの緊張感を体験することは有益ですし、偏差値が志望校の判断材料になることは言うまでもありませんが、ただ受けるだけではなく復習をしましょう。
そこで、なぜその問題ができなかったのか、自分と向き合うのです。
時間が間に合わなかった、知らない単語が多すぎた、文法がわからなかった等々、原因をみつけてください。
そして、その原因を解消するための努力をするのです。
実際、そのほとんどが、つまるところ暗記なんですよね。
習った範囲の文法だったのに、習った範囲の単語や熟語だったのに、暗記しきれていなかった・・・
繰り返しになりますが、知識に変換するには、何度も何度も何度も何度も反復して、刷り込むほかないのです。
このように、模試等の復習をしていくうちに、その問題を作った人(出題者)は、なぜその問題を作成したのか?という出題意図がわかってくるようになります。
この出題意図がわかってくるようになったあなたには、自信を持てる英語力がついているはずですよ。
頑張ってくださいね。
実力テスト・模試・高校受験で英語の成績を上げる方法は、定期テストの勉強をサボらないことと実力テスト・模試・過去問の復習でした。
では、リスニング問題で英語の成績を上げる方法はなんでしょうか。
英語の成績を上げる方法!リスニング対策編
リスニング問題で英語の成績を上げる方法は、正しい発音の習得と反復です。
新学習指導要領はリスニングやスピーキングにも重点を置いています。
とくにリスニングについては、スピーキングよりも前からすでに大学受験を含む各種試験において比重が年々増してきているところです。
そこで、中学生が英語の成績を上げるためにリスニングの勉強においてすべきことを、最後にお話ししたいと思います。
中学生のあいだに必要なリスニングスピードはそんなに速くない
私たち日本人が、英語を苦手だと感じる原因の一つが、ネイティブの会話スピードの速さです。
ここでは詳細は割愛しますが、ネイティブが英語を話すとき、単語同士が引っ付いたり音が欠落したりしています。
それなのに私たちはは単語一つ一つの音声を聞き取ろうとするため、聞き取れなかったり、思っている音と違う音が聞こえたりするので、速くてわからないと錯覚しています。
ですから、単語を(区切って)はっきり話してもらえれば、聞き取れるんですよ。
文部科学省の新学習指導要領には、聞くことについて以下のような記述があります。
はっきりと話されれば,日常的な話題について,必要な情報を聞き取る
ことができるようにする。【外国語編】中学校学習指導要領(平成29年告示)解説
中学のリスニングのレベルでは、単語をはっきり話すのでネイティブのように単語同士がくっついたり音が欠落することによって別の単語に聞こえるということはありません。
単語力をつけることと反復
いくらはっきり話されても、その単語自体を知らなければ、聞き取ったり意味を理解したりすることはできません。
単語を暗記し、語彙力をつけてください。
そして、リスニングにおいてもう一つ大切なのは、正しい発音の習得です。
ですから、語彙力を増やそうと単語を暗記するときは、必ず正しい発音もセットで暗記してください。
walkをワークと読み間違う、workをウォークと読み間違う中学1年生をたくさん見てきました。
最近では、CDだけでなく、スマホやタブレット端末で簡単に音声をダウンロードすることができますよね。
電子辞書も、単語の読み上げをしてくれるはずです。
さらに、できるだけ毎日英文を聞くようにしてください。
週1回60分リスニングの勉強をするくらいなら、毎日10分した方が遥かにリスニングは上達します。
そして単語だけではなく、英文を聞きます。
そういう意味でも、単語帳は優秀なんですよね。例文が載っていますから。
ローマ字読み・カタカナ英語を封印すること
これは日本人の英語学習にとって語順と並ぶ最大の敵だと感じています。
私自身、学生の時、単語をのスペルを暗記するのに、ローマ字で覚えようとしていました。
Wednesday ⇒うぇどねすでい みたいな感じです。
あるあるですよね。
さらに、実は日本は日常生活が、英単語であふれかえっています。
けれども、そのどれもが、正しい発音でなくカタカナ英語なんですよね。
だから、ネイティブの発音が聞き取れない。
energy エネルギーとは言いません。エneジーです。ネとナのあいだくらいです。
chocolate チョコレートとは言いません。チョkレッです。
このように、正しい発音はカタカナを使って表現するのがもはや無理なんですよね。
これを克服するには、実際の正しい発音を耳から入れて真似て発声する、これしかありません。
リスニング問題であるあるシチュエーションをたくさん知っておくこと
リスニング問題を解くとき、登場人物がどういうシチュエーションで何の会話しているのか?をできるだけ早く理解できることが一つのポイントです。
ですから、どんなシチュエーションがあるのか、覚えておきましょう。
電話で・お店で・学校で友だちと・学校で先生と・・・
友達の誕生日プレゼント・母の日のプレゼントを買いに行く・・
先週末の感想を聞く・今週末の予定を聞く・・・
部活動の話・ボランティア活動の話・・・
よくある場面・テーマですよね。
リスニング問題をたくさん解いている子ほど、「このシチュエーション多いな。」とか「前もでたな。」とか、分析ができています。
とても長くなりましたが、以上が英語の成績を上げる方法です。
英語は、語彙力にしろ、文法にしろ、リスニングにしろ、一朝一夕で習得できるものでは決してありません。
けれども継続していれば、きっと英語に自信が持てるようになりますよ。