勉強が理解できなくて、イライラしたことはありますか?
勉強したいと思っているのに、イライラして手につかなくてつらいですよね。
それはいったい何に対してイライラしているのでしょうか。
その設問自体でしょうか。
それとも、できない自分でしょうか。
ひとくちに勉強が理解できないとイライラするといっても、具体的に何にイライラしているのかわからないと、実は対処できないんですよ。
そこで、ここでは、勉強が理解できないとイライラする原因と対処法について、詳しく見ていきたいと思います。
勉強が理解できないとイライラする原因と対処法
まず、対処法は、自分が何を理解できないのかを把握する力を身につけることです。
分かりにくいので、具体例を見ていきたい思います。
あなたが、数学の先生だったとして、どちらの質問がより答えやすいですか?
当然、下の質問ですよね。
上の質問は、漠然としていて、「なにが」「なぜ」「どう」が抜けているんです。
ですから、漠然とした質問をたずねられた場合、「具体的になにが、どう、わからないのか。」を考えてみようと、私はいつもアドバイスします。
すると、こう返ってきます。
「それ(自分がなにをどうわかってないのか)が、わからないから質問しました。」
イライラの原因は、自分?
そこで、私は言います。
「たぶんね、自分が、なにがわからないのかがわかってないから、イライラするんだと思うよ。」
例えば、勉強ができる子というのは、自分が理解できていないと思うとき、その理解できないところにフォーカスを当てて、調べたり、基礎に戻ったりを自分でできます。
簡単にさらっと書きましたが、これは結構難しい作業だと思っています。
先ほどの数学の質問も、あんなふうに質問ができる子は、勉強ができる子、言い換えれば自分の理解を把握できている子です。
では、どうすれば、なにがどうわかってないかを自分で把握することができるのでしょう。
ズバリ、勉強の取り組み方です。
各教科共通して言えるのは、今まさに勉強しているこの単元は、その教科のどこなのかを理解したうえで勉強することです。
そうすることで、わからなくなったとき「どこを調べるのか」がわかるので、自分で対処ができるようになります。
自分で対処できるということは、わからないことがあったら人に聞くのではなく自分で解決できるので、学習をスムーズに進めることができます。
自分で解決できる力を養うということは、とても大きな意味があるのです。
このように、勉強が理解できないとイライラする原因は自分自身であり、一番の対処法は、自分が何を理解できないのかを把握する力を身につけることです。
これは、実際一番の近道で確実なのですが、ある意味学習習慣的な方法ですから、習得までに時間がかかってしまいます。
では、勉強が理解できないのでイライラするとき、すぐに実行できる対処法は何でしょうか。
勉強が理解できないのでイライラするとき、すぐに実行できる対処法
勉強が理解できなのでイライラするとき、すぐに実行できる対処法を以下の4つに分類をしてみました。
- 調べる・基礎に戻る
- 教えてもらう・答えを見る
- 問題のレベルを変える・その問題から離れる
- 休憩する・勉強を打ち切る
各項目について、具体的にどうすれば良いか、見ていきましょう。
調べる・基礎に戻る
先ほども紹介しましたが、わからないとき、調べたり基礎に戻ることは勉強の基本中の基本です。
調べることや基礎に戻ることを嫌がる、面倒に思う子は多いのですが、かならず伸び悩みます。
逆に、そういったある意味作業を面倒がらずにマメに勉強できる子は、急に伸びたりもします。
体験談を一つ
定期テスト直前対策で社会を勉強していた中学1年生がいました。
聞くと社会は苦手だそうですが、指示されたことはコツコツやるタイプです。
ですから、小学校の成績は良い方だと思います。
けれども、小学校と中学校の勉強の仕方、定期テストにギャップを感じて、どうすれば良いかわからない、そんな状況でした。
その子はワークの社会の一問一答をやっているところだったのですが、手が出ずぼーっとしていました。
おそらく、インプット(暗記すること)もままならない状態で一問一答をしていて、何もできなかったんだろうと思います。
本来であれば、教科書・ノートでインプットしてからワークでアウトプット(問題を解くこと)が正しい順序ですが、ワークには提出期限があり、時間がありません。
そこで、一問の問いの中でキーワードを見つけ、そのキーワードを教科書で探し、周辺を読んで答えを見つける方法を伝えました。
これだとワークも捗りますし、キーワードを拾って一答を導き出す過程もたどれます。
さらに、手で教科書をめくる、目でキーワードを探す、自然と教科書を読む、答えを漢字で書く、このコンボで、暗記もしやすくなります。
結果、ワークが完成したのはもちろん、『中学校の勉強のやり方が分かった!』と嬉しい言葉をいただきました。
ただ、この方法のデメリットは、ワークに出てこなかった知識には触れられないことです。
そのため、やはり教科書・ノートを使ってインプットすることが基本であり、知識を網羅するためには必要で、ワークはアウトプットとして活用してほしいですね。
教えてもらう・答えを見る
目の前の問題が解けなくてずーーーーっとそれを見続けていても、当然わかるようにはなりません。
そのため、調べたり基礎に戻ってほしいのですが、そうしてもわからないことも出てきます。
自分でやれるだけをやって、それでもわからない場合は、教えてもらったり、答えを見ましょう。
先生でも友達でも良いですが、教えてもらう場合はいきなり答えを教えてもらうよりは、ヒントがもらえそうならその方が良いですね。
ヒントをもらって解けるのと、初めから解き方を知ってしまうのでは第一段階が少し違ってきます。
答えをみる場合は、答えを見て満足せず、解説をしっかり読むようにしましょう。
解説を読んでいてわからないことが出てきたら、それも、調べたり基礎に戻ることをします。
ただ、解説がちんぷんかんぷんだとか、解説を理解するための調べ物ばっかりに時間を使って問題どころじゃないという場合は、テキストレベルが合っていないのかもしれません。
そして、教えてもらった場合も、解説を読んだ場合も共通しますが、「ふんふん、わかった。ありががとう。」や「へー。そうなんだ。」で、決して終えてはいけません。
絶対に!!ダメです。
もう一度、はじめから手を使って解きなおしてくださいね。
え?教えてもらったよ?答え見たよ?そんなのできるに決まってる。
そう思いますか?
意外とできないものなんですよ。
さらに数日経ってからもう一度解くと、さらに力をつけることができます。
問題のレベルを変える・その問題から離れる
さきほども触れましたが、そもそも問題のレベルが合っていない可能性があります。
問題のレベルが自分に合っているかどうかの判断は少し難しいかもしれませんが、先述したように、解説を理解できるかが一つの目安になるでしょう。
初めて解いてみてまったく解けない問題ばかりとか、解説を見てもちんぷんかんぷんという場合は、あなたにとってレベルが高すぎます。
逆に、どの問題も初めて解いて正解ばかり。これは、簡単すぎます。
初めてでは確かに解けないけれど、解説を見れば理解ができて、自分で解きなおしができる問題がいくつかある。
このレベルがちょうど良いと思います。
他のパターンとしては、ひとまずその目の前の問題から離れ、別の勉強に移るというのも手です。
じっくり考えることも大切な過程ですが、考えすぎてその問題だけに貴重な時間を吸い取られて他の勉強がおろそかに・・・ということもあり得ます。
意外と、別の勉強をしてから戻ってきたら「何でこれわからなかったんだろ?(・・)?」なんてこともあるものです。
考えすぎて視野が狭くなったり、思考が硬直することはままあることですから、根を詰めすぎないことが必要ですね。
休憩する・勉強を打ち切る
いったん問題から離れることと類似しますが、ここで紹介するのは、完全に鉛筆を置いてしまうパターンです。
睡眠不足で眠気が襲ってくることもありますし、先ほどのように考えすぎて頭がフリーズすることもあるでしょう。
別の教科をしようとしてもやっぱり眠い、頭がぼーっとして進まない場合は、いったん勉強そのものから離れるのも有効です。
そのときどこで勉強しているのかにもよりますが、身体の血流をよくするためそこらを15分程度歩いてきても良いでしょう。
深呼吸して背筋を伸ばすでも良いですね。
眠いなら仮眠を取っても良いですよ。
ただし、1時間2時間は寝すぎです。15分~長くて30分くらいにしておきましょう。
本当に眠い時は、すぐ眠れてしまうので15分でもスッキリしますよ。
以上、勉強が理解できなくてイライラするときすぐに実行できる対処法を4分類に分けてご紹介しました。
さて、勉強が理解できない以外にも、イライラすることってありますよね。
次は、勉強が理解できない以外にもあるイライラの原因と対処法について、見ていきたいと思います。
勉強が理解できない以外にもあるイライラ原因と対処法
単に、「勉強、理解できないな、イライラする。」以外にもイライラ原因はあります。
勉強が理解できない以外にもあるイライラの原因と対処法を以下の3つに分けて、具体的に見てみましょう。
- 思うように進まなくてイライラする
- 集中できなくてイライラする
- 勉強自体ストレスでイライラする
勉強が思うように進まなくてイライラする
この場合、勉強が進まない原因が色々あると思います。
例えば、目の前の問題が理解できないので、進められなくて、イライラしている。
これは、先ほど見てきた、理解できないときの対処法が有効ですね。
他には、学習計画が無謀で、思うように進められず、イライラしている。
学習の計画を立てて、勉強をすることはたいへん良いことです。
定期テスト、受験、それから日々の学習であっても、学習計画はとても大切です。
けれども、その計画が無謀で続けられない、さらにはイライラするなんてことになったら本末転倒です。
無理なく続けられる計画を立てましょう。
ペースをつかむまでは、ゆっくりとまずは続けることを意識して、継続ができてきたら負荷をかけていく方法がおすすめです。
勉強に集中できなくてイライラする
この場合は、勉強している環境に原因がないか考えてみましょう。
周りがうるさくて、集中できない。
逆に静かすぎて、集中できない。
別記事で、教科別・学年別おすすめ勉強場所を紹介していますので、ぜひご覧ください。
あるいは、脳を働かせるにはブドウ糖がエネルギー源だそうですが、ラムネなどで補給してみても良いですね。
勉強自体ストレスでイライラする
この場合は、机に向かって座るのも嫌だとか、やる気がでないということも考えられます。
こちらでも紹介していますが、ストレスの原因を見つけてください。
なぜ、机に向かうのが嫌なのでしょうか?
勉強が嫌だからですか?
では、どの勉強だったらできますか?
宿題の中で、提出するべき課題の中で、どれならやれますか?
やる気が出ないときも同じです。
どの宿題だったらやれますか?
勉強自体が嫌だ、ストレスだと感じてしまっている場合には、「あれもこれもやらなきゃで、勉強やだ!!!」的な思考になっていると思うので、やれるものだけやってみてください。
小さな小さな目標・ゴールをクリアすることから始めれば良いんです。
それができたら、また次の小さな小さな目標を見つけてみましょう。
ちりも積もれば山となるんですよ。
以上、勉強が理解できない以外にもあるイライラ原因と対処法についてご紹介しました。
最後に、特殊な事情をはらむケースについて触れておきたいと思います。
家庭の事情や奥深い問題が隠れている場合も
何らかの家庭の事情を抱えていたり、自身の悩みを抱えていたりという場合は、一概には言えず、個別に対処していく必要があります。
勉強をしないといけないとわかっているのに、いざ始めたらやっぱりできない。
やる気が出ないだけではなく、泣いてしまうとか、パニックになるとか・・・
そんなときは、正しい勉強の方法がどうとか、基礎が大切だから戻ってね、とかそんな問題ではない場合が多いです。
家庭の事情の場合は、学校の担任の先生、スクールカウンセラー、塾の先生など、周りの大人を頼ってみてください。
周りにいないよ、とか、先生には知られたくないなというような場合なら、自治体を頼ることもできます。もちろん匿名で受け付けてくれますよ。
自身の悩みである場合には、親に話す以外にも上記のどの手段も使えます。
親御さんと一緒に相談するのも一つですよね。
勉強はもちろん大切ですが、先に解決すべき問題があるならそれを先に解決しましょう。
勉強はいつからだって、始められるんですよ。