内申点は高校受験でどれくらい重要なの?入試ではどう活用される?

内申点

「内申点って、高校受験でどれくらい重要なの?」

「評定と内申点って同じ意味?」

「そもそも内申点って何?」

他に、偏差値や内申書・調査書など、受験にまつわる言葉は、普段からよく耳にしますよね。

内申点は高校受験でどれくらい重要なのでしょうか。

高校入試における内申点・内申書の役割なども併せて解説していきたいと思います。

内申点についての理解を深め、志望校合格へのヒントとして下さいね。

内申点は高校受験でどれくらい重要?

高校受験をするにあたって、内申点は必要不可欠なものです。

なぜなら、内申点は、「入試の合否を決定する総合点に加算される」からです。

一般的に受験と言うと、入学試験結果だけがフォーカスされると思われがちですが、 実際には、内申点は当日の入試結果と同等の重要性があることをまず覚えておきましょう。

内申点は高校受験でどれくらい重要なのでしょうか。

  • 内申点が高いと高校受験に有利!
  • 私立高校の場合、内申点が出願条件になることも
  • 内申点を把握しておくと対策を練りやすい

では、それぞれについて見ていきましょう。

内申点が高いと入試に有利

内申点が高いと、高校受験においては絶対的に有利になります。

なぜなら、ほとんどの都道府県では、入学試験と内申点の合計で合否が決まるからです。

では、そもそもなぜこのような制度になっているのでしょうか。

それは、試験当日に体調を崩したり、あるいは極度の緊張によって十分に実力を発揮できなかったりといった、不安定な要素をできるだけ取り除くための配慮なのです。

入試当日のその場限りの力だけを合否の判断材料にするのではなく、そこに至るまでの日頃の学習の成果や努力を評価する、というのが「内申点」という仕組みです。

例えば、高校入試当日の試験結果が同じ生徒がいたとします。

その場合、内申点の高い生徒の方が、総合点では上になるということですね。

私立高校の場合、内申点が出願基準になることも!

私立高校の入試では、内申点が出願基準になるケースも少なくありません。

これは特に難関校によく見られる傾向で、5教科ないしは9教科の内申点の基準を設定する高校が多いようです。

また、私立高校の中には、内申点が基準以上である子どもに対して、入学金を免除するなどの独自の制度を設けている学校もあります。

このように、学業面のサポートが手厚い私立高校の場合は、公立高校に通いながら通塾したときと比べ、教育費が安く済むなどのメリットもありますから、各校が定めている制度を考慮し、これらを活用することも志望校選びの検討項目に加えてみるといいですね。

内申点を把握しておくと対策を練りやすい

志望校に対して、子どもの内申点が少し足りないというケースもあるでしょう。

中学3年生になってから、過去の学年の内申点は変えることができません。

よって、志望校に対して内申点が不足している場合は対策を練る必要がありますよね。

例えば、ある教科の評定が悪いとします。

その場合、その教科の授業態度はどうだったか、提出物は忘れていないかなど、評価を伸ばせる対策を検討してみて下さい。

内申点が不足してい場合、最も効果的な対策は、今後の定期テストで高得点を取ることですから、それが内申点を上げる一番の近道だと再度肝に銘じて、不足している内申点をカバーできるよう努めましょう。

また、なかなか成果に繋がらない場合には、塾や家庭教師のサポートを受けるのも選択肢の一つです。

内申点が大幅に不足している場合などは、志望校を下げることも検討しなければなりませんが、それは最終手段として、まずは高い目標を持って受験勉強に取り組み、自身の力で明るい未来を切り拓いていって下さいね。

以上が、内申点は高校受験でどれくらい重要なのかについてでした。

では次に、内申点の仕組みについて、どのように決められているのかを解説していきましょう。

内申点の仕組みとは?どのように決められているの?

高校受験は内申点が高いほど有利になりますが、では、この内申点の仕組みとは?

一体どのように決められているのでしょうか。

内申点とは、調査書(内申書)に記載される成績のことをいい、「評定」と同義です。

「評定」= 各教科に5段階(5・4・3・2・1)でつける評価の数値

「内申点」 = 9教科の評定の合計

「調査書」 = 高校入試に際して、中学校から高校に送られる書類のひとつ。
生徒一人ひとりの成績や学校生活について記録されており、
合否判定資料としても用いられる。

調査書(内申書)に記載される際は、「9教科×5段階評定 = 45点満点」で計算されます。

合否判定では、教育委員会や学校ごとの規定に従って内申点を換算して使う場合もあるようですね。

では、文部科学省が発行している「学習の在り方ハンドブック」という資料の中から、評価の基本的な考え方や、評価の重要な3つの観点についてご紹介したいと思います。

以下は、その中から需要なポイントを抜粋して引用したものです。

①「知識・技能」の評価の方法

「知識・技能」の評価の考え方は、従前の評価の観点である「知識・理解」、「技能」においても重視してきたところです。具体的な評価方法としては、例えばペーパーテストにおいて、事実的な知識の習得を問う問題と、知識の概念的な理解を問う問題とのバランスに配慮するなどの工夫改善を図る等が考えられます。また、児童生徒が文章による説明をしたり、各教科等の内容の特質に応じて、観察・実験をしたり、式やグラフで表現したりするなど実際に知識や技能を用いる場面を設けるなど、多様な方法を適切に取り入れていくこと等も考えられます。

②「思考・判断・表現」の評価方法

「思考・判断・表現」の評価の考え方は、従前の評価の観点である「思考・判断・表現」においても重視してきたところです。具体的な評価方法としては、ペーパーテストのみならず、論述やレポー卜の作成発表、グループや学級における話合い、作品の制作や表現等の多様な活動を取り入れたり、それらを集めたポートフォリオを活用したりするなど評価方法を工夫することが考えられます。

③「主体的に学習に取り組む態度」の評価

ノートやレポートなどにおける記述、授業中の発言、教師による行動観察や、児童生徒による自己評価や相互評価などの状況を、教師が評価を行う際に考慮する材料の一つとして用いることなどが考えられます。
その際、各教科などの特質の応じて、児童生徒の発達の段階や一人ひとりの個性を十分に考慮しながら、「知識・技能」や「思考・判断・表現」の観点の状況をふまえた上で、評価を行う必要があります。

わかりやすく解説すると・・・

  1. 知識・技能というのは、定期テストの結果
  2. 思考・判断・表現は、授業での発言や議論の内容
  3. 主体的に取り組む態度は、授業中の態度、提出物の評価
つまり、定期テストの結果というのは、3つの観点で言えば、「知識・技能」だけで評価されるため、定期テストだけを頑張っても、内申点対策としては不十分といえるのです。

具体的には、定期テストで100点を取ったとしても、授業態度が悪かったり提出物をまったく出していない場合などは、低い評価になる可能性があるということですね。

一方、定期テストで良い点数が取れなかった場合でも、やる気や努力次第では良い内申点がもらえるケースもあるということになります。

以上、内申点の仕組みについて、どのように決められているのかの解説でした。

では最後に、調査書(内申書)に記載される事項についてご紹介しましょう。

調査書(内申書)に記載される事項とは?

調査書(内申書)に記載される事項をまとめてみました。

生徒の基本情報
→ 名前や性別などの基本情報が記載されます。

各教科の学習の記録
→ 評定(各教科の5段階評価)を記載。
観点別評価も併せて記載されます。
※ 観点別評価とは、各教科について「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」という観点から、子どもの達成度をABCの3段階で評価。

学習の時間の記録(欠席日数)
→ 欠席日数と欠席理由を記載。
理由のない欠席や遅刻は厳禁。
私立高校(特に推薦入試)では、欠席日数が多いと出願できないことも。

総合所見・行動の記録・特別活動などの記録
①学級・生徒会・学校行事・部活動など
→ 所属や役職、活動内容などを記載
②行動の記録
→ 中学校生活の様子を記載
③総合所見
→ 中学校生活全体について、先生の言葉で本人を評価する欄

以上、内申書で重要視されるのは成績ですが、それ以外の活動や普段の学校生活もしっかりと記載されることを覚えておきましょう。

また、漢検や英検の級は、一部の高校の入試で評価されます。

検定に限って言うならば、漢検よりも英検の方が、評価の対象にする学校は多いようですね。

学校にもよりますが、基本的には英検の場合は3級以上、漢検は2級以上が評価の対象となります。

ただし、合否に影響するほどの加点ではなく、ちょっとだけ有利、と捉えておくのが良いでしょう。

今と昔とでこんなに違う!公立中学校の成績のつけ方とは?

公立中学校の教科は、主要5教科+副教科4科目=合計9教科あり、それぞれに5段階で評定がつきます。

5段階で3だと、ちょうど真ん中の数字になるので、「3は普通(平均)の評定」と考えるかもしれません。

しかし、それは学校の成績のつけ方が「相対評価」だった頃の話です。

昔のつけ方は「相対評価」

今と区別するため「昔」と書いていますが・・・

今から約20年前までのことになります。

2002年頃まで、公立中学校の成績は「相対評価」で行われていました。

相対評価では「周りと比べてできるかどうか」で評価されます。

「相対評価」

生徒を成績順に並べて、
・評定5 → 生徒数の7%につける
・評定4 → 生徒数の24%につける
・評定3 → 生徒数の38%につける
・評定2 → 生徒数の24%につける
・評定1 → 生徒数の7%につける

この相対評価だと、5と1はレアであり、3は約4割近くいることになるため、昔の相対評価では「3は普通(平均)」と言えました。

とても分かりやすいようですが、しかしこの相対評価には問題がありました。

例えば、自分の点数が80点であっても、周りがみんな90点以上だった場合、自分は周りよりも低いことになるため、評価が2や1になる可能性があったからです。

逆に、周りができていなければ、50点しか取れていなくても5になるという可能性も。

それでは不公平だという意見や、そもそも学習の評価は周りと比較するものではないという考えが採用され、2002年度の成績から「絶対評価」が使われるようになったのです。

今のつけ方は「絶対評価」

絶対評価では、「生徒が各教科の目標に対して、どれだけ実現できたのか」が基準となります。

これは人数に関係なく、各教科の基準に対する到達度に応じて、生徒一人ひとりの評定を決める形となっています。

極端な話ですが、全員5がついても良いということになります。

学校や先生によっても異なりますが、例えば以下のようにテストの点数に応じて評定が決まります。

「絶対評価」

・評定5→ 90~100点
・評定4→ 80点~90点
・評定3→ 40点~80点
・評定2→ 20点~40点
・評定1→  0点~20点

また、絶対評価では、テストの点数だけでなく、授業態度や提出物も評定の要素となります。

テストが85点でも、提出物を提出していなかったり授業態度が悪ければ3になったり、逆にテストが75点でも、提出物の出来や授業態度が良ければ4になる場合もあるということです。

「絶対評価」での自分の位置(偏差値)を把握しよう!

絶対評価では、教科ごとの到達目標がいくつか設定されており、達成している数が多ければよい成績がつきます。

ただ、全体の中での自分の位置(いわゆる偏差値)がわかりづらいという問題点があります。

偏差値とは

テストを受けた集団の中で、自分がどれくらいの位置にいるかを表す数値。
平均点を偏差値50になるように変換し、その基準からどれくらい高い(または低い)点数だったかを表す。
自分の得点が平均点と同じであれば、偏差値は必ず50となる。

昔の相対評価では、各評定の割合が決まっていたため、例えば「通知表がオール3だから偏差値は50前後」と予測することができました。

しかし、今の絶対評価でオール3の場合は、偏差値は40前後(40~45)と考えられます。

つまり、偏差値50の高校を受験するためには、各教科平均して3と4が半分くらいずつ必要ということになるのです。

まとめると・・・

・昔の相対評価の「3」は今の絶対評価の「4」に近い
→ よって、今の絶対評価のオール3は真ん中(平均)とは言えない
・昔の相対評価でのオール3は偏差値50前後
・今の絶対評価のオール3は偏差値40~45と考えられる
・偏差値50が合格基準の高校を受けるならば、オール3に「4」がいくつか必要
ということで、得意な教科は4以上を目指し、苦手な教科は「テストで平均点越え」で3を目指してみましょう!
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